「コンセプトは、うんこの解放。製作中は『うんこをナメるな』を合言葉にアイディアを出しあいました」。
この人は何を言っているんだろう? そう思ってしまうような台詞を、阿部晶人さん(45歳)は、大真面目に語り始めた。
面白法人カヤックに所属する阿部さんは、8月9日、東京お台場にオープンした『うんこミュージアムTOKYO』の仕掛人のひとりだ。
『うんこミュージアム』は、アカツキライブエンターテインメントと面白法人カヤックが手を組んで生み出した、アミューズメント空間。
今年3月にオープンした『うんこミュージアム YOKOHAMA』で人気が爆発し、お台場での開業のほか、他の地方自治体からも声がかかっている人気イベントだ。
「キーワードは、MAXうんこカワイイ。これが『マンモスうれぴー』みたいに、普通に使われるようになることを狙っています」。
ミュージアム内は、巨大オブジェや写真映えするカラフルな世界観の「ウンスタジェニックエリア」に、ゲームが楽しめる「クソゲーセンター」など、とにかく、うんこまみれ。
書いていてもゲシュタルト崩壊を起こしそうだが、とにかく一般的に汚いと思われているうんこを「かわいい」と掛け合わせた、新体験スポットだ。
メインターゲットは流行や写真映えに関心の強い女子大生だという。そして、若い女性たちのハートを掴む仕掛けを施すクリエイターが、阿部さんなのだ。
40代にして、うんこに女子のツボを見出したクリエイティブ・ディレクター。一体どんな人物なのか、その裏にどんな想いを抱えつつ、プロジェクトを成功させているのか、そんな「面白い」を追及する人生を追った。
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