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積極的に“寄り道”をしたくなるようなナビゲーションが面白い


方向と距離が指示されるだけでは、ナビ機能として不十分なのでは? と思う人もいるだろう。確かに、実際に試してみると、最初のうちはかなり不安を感じる。

ビーラインとスマホ スマートフォン側でも、同様のコンパスが表示されるほか、現在地や目的地を示す地図が参照できる。通常のナビのように、ルート案内をしてくれるモードも用意されているが、利用できるエリアが限られているようだ。


前提として、気ままなサイクリングを愉しむためのガジェットであることはわかっていても、知らない道を進んでいると「この道で本当にあっているのかな?」という気持ちになってしまうのだ。

しかし、それこそビーラインの正しい“導き”なのである。何故なら、目的地にたどり着くまでのルートはひとつではないのだから。

ビーライン 画面表示を切り替えると、サイクリングの時間経過や移動距離などが参照できるようになる。


気になる小道があれば、迷うことなく入っていく。興味深い建築が遠方に見えれば、逆方向だとわかっていても、敢えてそちらへ向かってみる。

当然“最適”なルートに比べれば時間がかかるわけだが、目的地の方向さえわかっていれば、最終的には到着できる、というのが、ビーラインのコンセプト。使ってみて実感したのは、ビーラインが“寄り道”を基本とした移動に最適なナビ装置であるということだった。

ビーライン 目的地に到着すると、最終的な移動距離が表示される。アプリ側でルートを確認することも可能だ。


今回はテストとして、自宅から3kmほど先にある公園までサイクリングをしてみたのだが、普段使っている自転車ナビアプリが指示するルートに比べると、到着までに軽く倍以上の時間がかかってしまった。仕事先に向かう際など、移動の効率を重視するのであれば、明らかに不向きなナビといえるだろう。

しかし“大雑把な”ナビのおかげで、今まで通ったことのない道や、見過ごしていたスポットなどを、いくつも発見できたのは大きな収穫。少年時代、自転車であてもなく「探検」の旅へ出たときの気持ちを、ビーラインが思い出させてくれたのだ。

ビーライン

このように、家の近所を走り回るだけでも意外な愉しみが得られるほか、自転車を選ばず装着できるので、旅先でレンタルサイクルを利用する際などにもオススメできそうなビーライン。

オフタイム向けに特化されたナビとしては、やや高価な印象を受けるかもしれないが、それだけの価値があるガジェットだと思った次第であります。

 

【取材協力】
アシストオン/AssistOn
住所:東京都千代田区神田小川町3-20 越後屋ビル2階
電話番号:03-5577-2116
www.assiston.co.jp



 

石井敏郎=文・撮影

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