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2019.08.11

ファッション

ディオールとペティボンが織りなす「エレガントなパンク」の世界

2019年の春夏コレクションより、ディオールのメンズのアーティスティック ディレクターに就任したキム・ジョーンズ。ハイファッションとストリートスタイルの融合を強みとし、初めて手掛けたけコレクションではストリートアート界の巨人・カウズとコラボし、鮮烈な初陣を飾った。

次は何を仕掛けるのか、必然的に期待が高まるなか登場したのがコレだ。

115万円/クリスチャン ディオール 0120-02-1947


ん? これは……

滲み出るエネルギッシュでダークなオーラに、オーシャンズ世代ならひっかかるものがあるはず。そう、なんと今度はポール・マッカーシーやマイク・ケリーと並んでアメリカ西海岸を代表する現代アーティスト、レイモンド・ペティボンとのコラボを果たしたのだ。 

写真のニットは、彼の作品でも名作に数えられるドローイング「モナ・リザ」を落とし込んだものである。そして、彼のアトリエをイメージしたというキャンペーンビジュアルも、このとおり。



https://www.youtube.com/watch?v=LBwh5_--4jc

創業者クリスチャン・ディオールを「モード界の頂点に君臨するデザイナー」と称え、就任時には「ディオールは究極のエレガンスを象徴するシンボルだ」とコメントしたキム・ジョーンズ氏。

かたやペティボンといえばLAのパンクシーンで活躍してきたアーティストで、1980年代以降、アメリカのインディーズシーンにおいて、ブラック・フラッグの『Slip It In』(1984年)やソニック・ユースの『GOO』(1990年)のアートワークを手掛けた人物だ。

「対局の融合による革新」と言えど、エレガンスとパンクをこうも巧みに織り交ぜるとは、もはや鳥肌モノである。



本キャンペーンの撮影を手掛けたのは世界的フォトグラファーのスティーブン・マイゼル。コラボレーションの魅力をより際立たせる演出として、ペティボンのアトリエをモチーフにしたスタジオで撮影された。



ブランドの創業者、ムッシュ ディオールはもともと、パブロ・ピカソやサルバドール・ダリらとともに仕事をするギャラリスト(美術商)だった。例えばピカソは代表作『ゲルニカ』でナチスを批判した反骨の芸術家だが、ペティボンもピカソに負けじと反政府的な姿勢をアートに落とし込む、カウンターカルチャーのなかに身を置くアーティストである。

そしてそんな男たちと積極的にリンクするディオール。その底意は明らかだ。

 

[問い合わせ]
クリスチャン ディオール
0120-02-1947

谷澤修太朗=文

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