「コットンの可能性は無限大」と示した一枚
—最後に、真ん中の一枚は?久﨑 これが今のところの理想形です。
ーそれは楽しみです。で、どんな?久﨑 通常でしたら、(絵を描きながほら)中も外も同じようにねじって糸にしますが、こちらは空紡(オープンエンド)。外側の糸は撚りがかかっているのだけど、真ん中はそのまま撚りがかからない。だから、外がカリッとして、真ん中がフワッとした生地になる。
—なるほど(むずかしいな……)。久﨑 これを作っているのが日本でいちばん古い紡績機で、あと二機しか残っていません。
—相当貴重なんですね。それまでして、なぜこの生地を?久﨑 結局今は、モードっぽいきれいめなアイテムに走るか、アメリカンものを着続けるかのどちらかですよね。でも、アメリカに近いキレいめのアイテムが理想だなと思ったんです。これまで紹介した2枚のTシャツの中間のような生地感ですね。
—それが真ん中のTシャツ?久﨑 はい。こちらは僕が思う現段階での理想です。程良いラフさを持ちながら、圧倒的にキレイ。肉厚だけど、サラッとした着心地。
今のところの「理想形」スヴィンエアスピニング オーバーサイズ Tシャツ
2020年の春夏の発表を想定していたが、試着テストも終了したため特別にエイトン青山で限定販売中。1万2000円/エイトン(エイトン 青山 03-6427-6335) —確かにキレイでもあり、程良くドライタッチ。久﨑 原綿の選択、配合、紡績方法、仕上げのバランスにおいて試行錯誤を重ねて、ようやく形にできました。独自に開発した糸を使っているので、空紡糸のようなラフな表情やサラッとした質感をキープしながら、発色性と光沢感もプラスしています。
手摘みした「スヴィンコットン」を空気紡績し、和歌山の熟練ニッターの手で編まれたスペシャル生地。—これはカジュアル派の大人向きですね。久﨑 ありがとうございます。袖を通した時点で「なんだこれ!」と思ってもらえるはずです。ガンガン洗ってもこの艶感は落ちません。もうコットンの可能性は無限大ですよ(笑)。
—オリジナルの糸や仕上げがすごく気になりますが……これもやっぱり?久﨑 企業秘密です(笑)。
—四の五の言わずに、まずは着てみます! たかが白T、されど白T。一枚の裏に隠された熱すぎる生地物語。それを知れば知るほど、一枚への愛着も湧いてくる。まずはエイトンが自信を持って提案してくれた、こだわりすぎた3枚の白Tからあなたのベストを見つけるべし。そして、下のショップへ駆け込め!
[ショップデータ]エイトン 青山住所:東京都港区北青山3-6-27電話番号:03-6427-6335営業:12:00〜20:00(土・日曜、祝日は11:00から)月曜定休www.aton-tokyo.com 菊地 亮=取材・文