そんなThe 8の人気メニューを紹介しましょう。こちらはDim Sum(点心)メニューからいちばん人気の「チャーシューバン(Crispy Barbecued Pork Buns with Preserved Vegetables)」。「こんなの食べられるはずがない!」と思わず声を上げてしまう、ハリネズミの姿をしたかわいらしい点心。実際にひと口食べると、中からとろけ出る甘味のチャーシューが口内に広がり、2〜3口でフィニッシュ。ちなみに目の部分は黒ごまを使用する精細な仕事ぶりです。
こちらの点心は「エビの蒸し餃子(Steamed Dumplings with Cristal Blue Shrimps in Goldfish Shape)」「カニ肉とカレーソースのタルト(Baked Tartelettes filled with Crabmeat in Curry Sauce)」。香港やマカオでは、インスタ映えが流行る前から、こうしたアニマル点心が人気で「The 8」でも2007年のオープン当初からこちらのメニューを提供していたそう。ひとたび口にすれば(見た目の繊細さでも一目瞭然ですが)、単に流行を追って生まれただけのメニューでないことがわかります。
「クリスピー・ビーフ 自家製クリームソース添え(Crispy Beef with Homemade Cream Sauce)」は、数字の「8」に見立てたクリスピーが添えられた縁起のいい一品。牛肉にクリームソースなんてと思いましたが、これが完全に想像を超える相性の良さ。素材の良さや盛り付けのアイデアもさることながら、味覚の意外性も絶妙です。
デザートのおすすめは「黒ごまと白ごまのプリンとアイスクリーム(Black and White Sesame Pudding with Sesame Ice-cream)」。こちらは風水の「陰と陽」を表す陰陽太極図を、黒と白のごまでデザイン。風水を大事にするマカオの人々が泣いて喜ぶデザートです。実際に味も繊細で、僕も泣く泣くこのデザートで「The 8」を〆ました。