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ミシュラン3つ星を獲得した「THE 8」


そして、もうひとつ紹介したいのが、マカオ半島側のグランド・リスボア内に入るレストラン「THE 8」。マカオで唯一、広東料理でミシュラン3つ星を獲得(ちなみにもう1カ所は同じグランド・リスボア内にある「Robuchon au Dôme」)。マカオでいちばん有名なレストランと言っても過言ではありません。

マカオ半島側のグランド・リスボア内に入るレストラン、「THE 8」。 胡弓の音色でも聴こえてきそうなインテリア。


マカオで唯一、中国料理でミシュラン3つ星を獲得(ちなみにもう1箇所は同じグランド・リスボア内にある「Robuchon au Dôme」)。 と思いきや、ホールのど真ん中にこのミラーボール。


そんな「The 8」、おすすめなのは当たり前でしょと思われるかもしれませんが、やはり素晴らしいものは素晴らしい。初めてマカオに行ったときは、「カジノで勝ったら行こう」くらいに思っていたのですが(現実は負けたので行けてませんでした……)、今回来てみて、これはマカオを訪れるすべての人に味わってほしい体験だと確信しました。

「チャーシューバン(Crispy Barbecued Pork Buns with Preserved Vegetables)」72パタカ。 ハリネズミの形をした点心「チャーシューバン」は72パタカ。中にはとろとろのチャーシューが。


そんなThe 8の人気メニューを紹介しましょう。こちらはDim Sum(点心)メニューからいちばん人気の「チャーシューバン(Crispy Barbecued Pork Buns with Preserved Vegetables)」。「こんなの食べられるはずがない!」と思わず声を上げてしまう、ハリネズミの姿をしたかわいらしい点心。実際にひと口食べると、中からとろけ出る甘味のチャーシューが口内に広がり、2〜3口でフィニッシュ。ちなみに目の部分は黒ごまを使用する精細な仕事ぶりです。

エビの蒸し餃子(Steamed Dumplings with Cristal Blue Shrimps in Goldfish Shape)」84パタカと、「カニ肉とカレーソースのタルト(Baked Tartelettes filled with Crabmeat in Curry Sauce)」66パタカ。 「エビの蒸し餃子」は84パタカ、「カニ肉とカレーソースのタルト」は66パタカ。


こちらの点心は「エビの蒸し餃子(Steamed Dumplings with Cristal Blue Shrimps in Goldfish Shape)」「カニ肉とカレーソースのタルト(Baked Tartelettes filled with Crabmeat in Curry Sauce)」。香港やマカオでは、インスタ映えが流行る前から、こうしたアニマル点心が人気で「The 8」でも2007年のオープン当初からこちらのメニューを提供していたそう。ひとたび口にすれば(見た目の繊細さでも一目瞭然ですが)、単に流行を追って生まれただけのメニューでないことがわかります。

「クリスピー・ビーフ 自家製クリームソース添え(Crispy Beef with Homemade Cream Sauce)」480パタカ 奥に店名にもなっている「8」が。縁起の良さも感じます。「クリスピー・ビーフ 自家製クリームソース添え」は480パタカ。かなり美味!


「クリスピー・ビーフ 自家製クリームソース添え(Crispy Beef with Homemade Cream Sauce)」は、数字の「8」に見立てたクリスピーが添えられた縁起のいい一品。牛肉にクリームソースなんてと思いましたが、これが完全に想像を超える相性の良さ。素材の良さや盛り付けのアイデアもさることながら、味覚の意外性も絶妙です。

サーファーも好きそうなインヤンデザインのプリン。60パタカ。


デザートのおすすめは「黒ごまと白ごまのプリンとアイスクリーム(Black and White Sesame Pudding with Sesame Ice-cream)」。こちらは風水の「陰と陽」を表す陰陽太極図を、黒と白のごまでデザイン。風水を大事にするマカオの人々が泣いて喜ぶデザートです。実際に味も繊細で、僕も泣く泣くこのデザートで「The 8」を〆ました。



クアラルンプールのシェラントン・インペリアルや、香港のマンダリン・オリエンタルなど世界の一流ホテルで腕を磨き、2015年から「The 8」でエグゼクティブ・シェフを務めているジョセフさん。ホテルレストランでのキャリアは既に50年以上というから驚きです。芸術作品ともいえる料理を、ごちそうさまでした!

 

実はマカオ、こちらのレストランだけでなく、美味しい店がたくさんあり、1日3食じゃ足りないくらいグルメ三昧な週末を過ごしてきました。人気レストランは数週間前から予約でいっぱい、ということもザラなので、週末マカオに出かける際は、毎食どこに食べにいくかしっかり計画することをオススメします。

以上、3回に渡ってお届けしてきた週末マカオの過ごし方。マカオでホテル、アート、グルメとは意外かもしれませんが、どれも想像を超えるクオリティの高さ。事前に期待していた以上の感動を得られるというのは「いい旅」の証拠です。

週末を使って行けてしまうマカオは、忙しいオーシャンズ世代の息抜き先としては最高の旅先といえるでしょう!

 






伊澤慶一●1981年生まれ、子持ち。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。
伊澤慶一●1981年生まれ、一児の父。出版社勤務時代には『地球の歩き方』を始め、NY、LA、パリ、ベルリン、モロッコなど世界中のガイドブックを制作。60カ国以上の渡航歴を持つが、いちばんのお気に入りはハワイ。


 

マカオ政府観光局=取材協力

※本文中に出てくるマカオの通貨は、1パタカ=13.21円を目安(2019年8月6日現在)

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