これからプライスが上がりそうなバンドって?
—今、注目しているバンドTってありますか? 門畑 最近はスリップノットの人気がスゴいですね。あと、レッド・ホット・チリ・ペッパーズは近いうちにくると思います。恐らく2、3度、ブームがくるのではないでしょうか。
—その心は? 門畑 すでに評価が確定しているニルヴァーナと同じような、熱狂的なファンがいるから。それでいて“誰も知らない”マニアックな存在でもない。そして、グラフィックとして優れたTシャツが多い。同じ目線でレディオヘッドにも注目しています。イギリスのバンドのTシャツは玉数が少ないっていうのもポイントです。
—UKロックでいえばオアシスはどうですか? 門畑 重要なのは、さっきの熱狂的なファンと、一定のポピュラリティのバランスです。オアシスはみんなのものというか、コアな層の力が弱い。値段を左右するのは、その層の熱量だったりしますから。
—そう考えると、ビョークTシャツの価格高騰はわかる気がします。 門畑 熱狂的なファンがいますからね。おそらく、女性ミュージシャンのポートレートTシャツでダントツの人気じゃないでしょうか。ローリング・ストーンズのTシャツが人気のわりにプライスが落ち着いているのは、おそらくコア層の熱量の問題だと思いますね。
—みんなのストーンズですもんね。 門畑 そうですね。その点、今後はパンクバンドにも注目です。熱狂度は間違いなく高いですし、数も多くはないでしょうから。
—ほかのジャンルはどうですか? 例えばテクノとかヒップホップとか。 門畑 ヒップホップはもうキテますよ。ある女性シンガーのTシャツの価値は青天井と聞きました。テクノも掘り甲斐ありますね、エイフェックス・ツインとか。これらは世界を探し回ってもほとんど出てきませんけどね。
—もう世界的ブームなんですね。 門畑 そのとおり! ブームは日本だけじゃありません。古着好きと音楽好きは、90年代頃まではいわばイコールだったところもありましたが、今はそうじゃない。だから、新しい価値観がどんどん生まれていく。数年前まで、90年代のTシャツがこんなに価値を高めるなんて思っていませんでしたから。そういう想定外が、古着の面白さでもあるんです。
[話を聞いた店]
フェイクアルファ
住所:東京都渋谷区神宮前1-8-21
電話:03-3404-0168
営業:12:00〜20:00 無休 菊地 亮=取材・文