テレビ観戦ならではのマラソンの楽しみ方
現地観戦では追いきれない情報を拾えるのも、テレビ観戦の利点です。
なかでも、近年話題となっている選手たちのギアは、ぜひチェックしてほしい。今回のMGCでは緑色の靴を履いた人たちが多く出てきます。
NIKE(ナイキ)の「ナイキ ズームX ヴェイパーフライ ネクスト%」です。
この靴、思いのほかいいと評判が高い一方、前モデルのヴェイパーフライ4%以上に反発性が高く、履きこなせる選手が少ない。ハーフマラソンならまだしもフルマラソンでは耐えられないのでは? という声もある、実は諸刃の剣的なシューズなのです。
そんななか、先日行われたゴールドコーストマラソンで、ホンダ所属の設楽悠太選手は、この靴で優勝を果たしました。
ほかの選手はこの靴をどう履きこなすのかに注目です。
余談ですが、設楽選手はゴールドコーストマラソンで、両乳首から出血しながらゴールをしました。乳首を保護すればいいのにとか、そういう意見ばかりが取りざたされますが、実は注目すべきはほかにあります。
2017年、設楽選手がベルリンマラソンに出場したときも乳首から出血をしたのですが、この時は左右の出血量に差があったんです。それがゴールドコーストでは両乳首とも同じように出血している。これは彼の左右差がなくなり、バランス良く走れるようになった証拠だと、僕は見ています。
彼の体が仕上がっている証拠でしょう。
NHKといえば大河ドラマ「いだてん」も
もうひとつテレビつながりで、オリンピック本番までにぜひチェックしてほしいのが、同じくNHKで現在放送中の大河ドラマ『いだてん』です。第2部に入り、話は1964年の東京オリンピックを、誰がどう作っていったかがテーマになっています。
これが抜群に面白い。僕は毎回ゲラゲラ笑って、泣いています。これを見ておくと、こうやって東京オリンピックを作っていく人がいるんだなということにまで思いを馳せることができて、オリンピックへの距離がぐっと近くなるはずです。
林田順子=取材・文