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内容は、『ぱちょ〜ん』を拡大コピーしたものを子供たちに読み聞かせするというもの。小島よしおが「おっぱっぴー!」と叫んだら、子供たちも「おっぱっぴー!」とまねをする。

子供たちと一緒にコール・アンド・レスポンスをすることで「やってる俺もさらにノってくる」。今年中に100公園での読み聞かせが目標だ(現在、30回超え)。

紙芝居が終わると、少しずつ人が集まり、100人程が小島よしおと写真を撮って交流を深めていた(筆者撮影) 用意した絵本20冊は即完売した。紙芝居には30人程が集まり、子供たちが夢中になっていた。紙芝居が終わると、少しずつ人が集まり、100人程が小島よしおと写真を撮って交流を深めていた(筆者撮影)


絵本を売るためには効率が悪いとわかりながらも、「子供たちと触れ合うことが好き」な彼にとって何の問題もないと笑う。

テレビで売れたことで感じた焦燥感


小島よしおがテレビで脚光を浴び始めたのは12年前。「ユーキャン新語・流行語大賞2007」では「そんなの関係ねぇ!」がトップ10に入賞した。

「テレビの仕事はスケジュールの面でもいつなくなるかわからない。番組の企画や共演者とうまくあわせて、番組に出続けられるかという意味でも不安でした」。

もちろんテレビ業界では、つねに新しい芸人が出てきて、ライバルがひしめき合い、ベテランに引退はそうそうない。生き残るのはそう簡単ではない。

「テレビに出始めて、2010年くらいまでは余熱で残れました(笑)。それから『自分のなかで飽きた時期』を過ごすようになったんです」。

2011年に自身のレギュラー番組のひとつが終了すると、「居場所がなくなる」という焦りも生じた。「自分のようなキャラの新しい芸人がどんどん出てくる」ことに恐怖も覚え、競争社会から距離を置きたくなったと当時を振り返る。

発売中の絵本『ぱちょ~ん』を読み聞かせする理由について話した小島よしお(筆者撮影) 発売中の絵本『ぱちょ~ん』を読み聞かせする理由について話した小島よしお(筆者撮影)


そこで先輩に相談をすると、「子供好きなんだし、子供向けライブをやってみたら」とアドバイスされ、2011年から子供のためのライブをやり始めたのだ。すると、「『そんなの関係ねぇ!』が子供たちにめちゃくちゃウケた」ことで自信がついた。

「例えば、営業先では30分という時間をもらったときに、自分で企画したものをやりきれるのでやりがいを感じます。面白さを比べられることや、争いは正直好きじゃない。ほかの芸人がやっていなかった子供向けネタをやることで、新しいお笑いを提供したいと思いました」。



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