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2019.07.25

ファッション

ノータイにせよ、じゃないにせよ。夏のVゾーンの絶対正解を知りたい!


働く男の夏対策●これからの季節、働く男にとって強敵なのが、毎日上昇していく不快指数。体のジメジメも、ときには人間関係のジメジメも御免被りたい貴方のために、夏の仕事をサラサラにするアレコレを紹介する。


日本の夏はとにかく暑い。クールビスという言葉は定着しつつも、大概は「TPOにふさわしい服装で」という曖昧な条件付きだ。

じゃあどうすりゃいいの? と悩める貴方の疑問を、ビジネススタイルを熟知するエキスパート、山本晃弘さんにぶつけて聞いてみた。

「ビジネススタイルは、敬意を持って相手に合わせること。季節を問わず、相手を不快にしないことが鉄則」と語る山本晃弘氏。


夏のビジネススタイルで最も、窮屈さと暑苦しさを感じるものの1つがネクタイ。だからクールビズを謳歌してノータイでといきたいものだが、会う相手によっては許されないから、バッグの中にいつも1本潜ませていたり。

ならば、夏に自分も相手も暑苦しくないネクタイと、ノータイでもサマになるシャツがあれば、夏のビジネスシーンはいくぶん快適になるはずだ。

Q.
「窮屈さを感じないネクタイとノータイ用シャツが欲しいのですが……」


——まず、夏に暑苦しくないネクタイは、どんなものを選べばいいのでしょうか?

山本 ずばりニットタイです。夏用のシャリ感のあるもの、あとはフレスコ素材などがいいですね。触ったときにペタッとならずに、涼しく感じられるものが王道ですね。

窮屈じゃないネクタイの代表は、シャリ感のあるニットタイ。しかもネイビーなら間違いなし。


——それでは、それにマッチするシャツはどうでしょう? できればネクタイを外してもサマになるものが理想です。

山本 涼しげな印象ということでいえば、襟が白でボディがブルー系のクレリックシャツもいいのですが、ネクタイを外すと襟元の収まりがよくないんですよ。そういう視点で考えると、夏は白のボタンダウン・シャツががいちばん重宝すると思います。

——なぜ白のボタンダウン・シャツがいいんですか?

山本 ボタンダウン・シャツの起源を紐解くと、そもそもはポロ競技で使われたシャツですから、スポーツウェアなんですね。では、なぜそれをビジネスで着るかというと、ネクタイを外したときサマになるから。襟がワイドスプレッドやセミワイドスプレッドのドレスシャツをノ ータイで着ると格好悪いんですよ。

「ブルックスブラザーズ」でおなじみのオックスフォードのボタンダウンシャツは、夏のビジカジにもぴったり。 ブルックス ブラザーズでおなじみのオックスフォードのボタンダウン・シャツは、夏のビズカジにもぴったり。ネクタイをしても外してもサマになる。


——素材は普通のオックスフォードでいいのでしょうか?

山本 はい、いいと思います。少し肉厚の素材もありますから、細かくいえばピンオックスなど、薄手のものを選ぶといいでしょう。それほど意識せずともベーシックなオッスフォードで問題ありません。

——ボタンダウンのボタンを外して着るスタイルも見かけますね。

山本 ファッション関係者がよくやる着こなしですが、それは絶対にやらないでください(笑)。そもそもノータイでサマになるのは、襟の先がボタンで留めてあるためなんです。襟のフォルムに程良いボリュームがあるのがボタンダウンの利点ですから、あのボタンを外してしまっては意味がありません。

山本さんのように、チェックのセットアップスーツにニットタイ、オックスフォードのボタンダウンシャツというのが、涼しげで窮屈じゃない夏のVゾーンだということだ。 山本さんのように、ニットタイ、オックスフォードのボタンダウン・シャツというのが、涼しげで暑苦しくない夏のVゾーンということだ。


——ちなみに、暑い日にボタンダウンの半袖シャツを着るのはありなのでしょうか?

山本 半袖なら、ノータイが前提となりますね。半袖を選ぶのであれば、クラシックな開襟シャツのほうがいいと思います。昔のドラマで新聞記者や刑事が着ていたようなアレです(笑)。クラシックな昭和の男達というイメージが漂い、清潔感があって、仕事着としても申し分ないですね。

 


[話を聞いた人]
山本晃弘(やまもと てるひろ)さん
いくつものメンズ雑誌の編集を経て、2008年に編集長としてアエラスタイルマガジンを創刊。2019年に独立し、自身の会社”ヤマモトカンパニー”で活動しながら、同誌のエグゼクティブエディター兼 WEB編集長も務める。着こなしルールやビジネスマナーはもちろん、服飾史にも精通したご意見番。https://asm.asahi.com


高橋絵里奈=写真 長谷川茂雄=編集・文

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