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2019.07.24

ファッション

仕事用セットアップ選びで見落としがちなポイントを、ビズスタイルの達人に聞く


働く男の夏対策●これからの季節、働く男にとって強敵なのが、毎日上昇していく不快指数。体のジメジメも、ときには人間関係のジメジメも御免被りたい貴方のために、夏の仕事をサラサラにするアレコレを紹介する。


ここ数年、日本の夏はとにかく暑いし、ゲリラ豪雨も珍しくなくなってきた。クールビスという言葉は定着しつつも、大概は「TPOにふさわしい服装で」という曖昧な条件付きだ。

じゃあ本格的な暑さがやってくるこれからの時季、リアルな仕事着はどうすりゃいい?


そんな悩める40代の疑問を、「基本は、敬意を持って相手に合わせること。季節を問わず、相手を不快にしないことが鉄則」と語るビジネススタイルのエキスパート、山本晃弘氏にぶつける本企画。

まずは、もはや定着しつつある機能素材を使ったセットアップについて。便利で着心地も快適だけど、仕事相手を「不快」にしないためにはどんなポイントで選べばいいのやら。素材は? シルエットは? 着丈は……?

Q.
「仕事で使えるラクチン・セットアップ、何を基準に選べばいい?」


——スーツよりラクなセットアップはいろいろありますが、どんなものを着たらいいのでしょう?

山本 毎年、ビジネスユースを意識したセットアップは進化していて、機能もとても充実してきています。ビジネススタイルという観点で注意すべきは、まず素材感ですね。

見て化繊(化学繊維)だとすぐにわかるものより、天然素材に見えるもののほうがいいと思います。化繊ならではのテカっとした光沢があると、チャラい印象を与えかねません。

山本さんが着用しているのは「マッキントッシュ フィロソフィー」のセットアップ。 山本さんが着用しているのは「マッキントッシュ フィロソフィー」のセットアップ。ストレッチ性のある混紡素材ながら、天然コットン100%のシアサッカーに見える。光沢がない落ち着いた素材感がいい塩梅だ。


——巷で見るセットアップは、いわゆるビジネススーツと丈感やシルエットが違うものも多いですが、それは問題ありませんか?

山本 ジャケットの着丈は、お尻が半分以上見えてしまってはよくありません。目安としては、お尻が半分から2/3は隠れるぐらい。パンツの丈は、夏は涼しげに短めでもいいですが、くるぶしにちょうどかかるぐらいが理想です。くるぶしが完全に見えてしまうのは、短かすぎですね。

たまに見かける完全にくるぶしが見えてしまうパンツのレングスは、短かすぎるのでビジネスには不向き。 パンツのレングスは、歩いていてくるぶしが見え隠れするぐらいのバランスが涼しげで良い。完全にくるぶしが見えてしまうパンツのレングスは、短かすぎるのでビジネススタイルには不向きという。


——パンツはウエストにドローコードが付いているものでもいいのでしょうか?

山本 ドローコードがついていても隠れて見えなければ問題ないと思います。ですが、ウエストをドローコードでとめるパンツだと、仕事中にずり落ちる心配がありますから、ウエストの背面側がゴム仕様になっているものが目立たずずり落ちにくくてオススメです。もしくは伸縮性のあるベルトを使えば快適だと思います。

——コードやゴムが見えなければ、ノーベルトで大丈夫ですか?

山本 ポロシャツなどでパンツのウエストが隠れる場合を除いて、ビジネスシーンでノーベルトは避けたほうがいいです。いくら快適素材のセットアップとはいえ、ベルトをしないとカジュアルに見えすぎてしまう。

山本さんが便利だというベルトは、パッと見は編み込みのベーシックタイプでありながら、実はゴム仕様で伸縮性があるスグレモノ 山本さんが便利だというベルトは、パッと見は編み込みのベーシックタイプでありながら、実はゴム仕様で伸縮性があるスグレモノ。ウエストを締め付けたくないなら、こういったベルトを賢く使おう。


——では、シャツ代わりにポロシャツを着るのはありでしょうか?

山本 1日デスクワークをするような日は、問題ないと思います。外出する日でも、その日に会う取引先やクライアントの方が、ポロシャツを着てくるような場合は、もちろんOKです。ビジネススタイルで大切なのは、相対する相手に合わせるということに尽きますね。

 

次回は、シャツとネクタイのお話。


[話を聞いた人]
山本晃弘(やまもと てるひろ)さん
いくつものメンズ雑誌の編集を経て、2008年に編集長としてアエラスタイルマガジンを創刊。2019年に独立し、自身の会社”ヤマモトカンパニー”で活動しながら、同誌のエグゼクティブエディター兼 WEB編集長も務める。着こなしルールやビジネスマナーはもちろん、服飾史にも精通したご意見番。https://asm.asahi.com


高橋絵里奈=写真 長谷川茂雄=編集・文

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