身近な南国・沖縄。スカイブルーの海と空、真っ白な入道雲で迎えてくれるこの島は、心と体に活力を与えてくれる。先日開催された
「コロナフェス 2019」などのイベントも盛りだくさんで夏休みの旅先の上位候補になっていることだろう。
けれど、来訪機会が多い人ほど、マリンスポーツやグルメ周遊、水族館など、“いつもの沖縄”にマンネリを覚えているかも……。そんな人たちにいつもとはひと味違う旅程を紹介したい。
それが立ち寄る機会の少ない、沖縄本島の東海岸へ向かう「Ride&SPA」の旅。
ロードバイクで現地の生活・風土を覗きながら、原初の沖縄の面影を色濃く残す
本島北東部にある宜野座村へ行ってみよう。新しいアクティビティの可能性と、大人
になったからこそ味わえる癒
やしを発見できるはずだ。
ロードバイクを空輸して、見知らぬ沖縄へ
旅は到着前から始まるもの。準備段階から“いつもと違う”にこだわってみよう。水着の代わりにロードバイクを持参する。
知らない人も多いだろうが、国内大手航空会社なら、自転車でも無料(20kg以内)で荷物として預けられる。もちろん、現地でのレンタサイクルも可能だから、
輸送のトラブルが怖い人はこちらを選んでもいい。最近は普通のモデルだけでなく、電動ロードバイクもラインナップにあるのが嬉しいところだ。
羽田空港から空の旅を楽しむこと
約2時間、沖縄に到着。高温多湿な空気が、日常を抜け出し南国にやってきたことを実感させてくれる。
お馴染みの観光地も、自転車だと違う風景に見えてくる
取材時の7月上旬、梅雨明け直後の沖縄の気温は30℃を軽く超えていた。那覇空港から宜野座村までの
60kmの行程を、景色を眺めながら6時間ほどをかけてゆっくりと走破する。
いつもは土産物や海産物を物色する国際通りも、ロードバイクで走り抜けると、街ゆく人の顔や街の表情が、違う光景に見えてくる。
いつもは高速道路で目的地まで一直線に向かうところだが、今回は道中や寄り道こそが楽しみになる。
西海岸沿いの県道58号線に沿って約1時間走り続け、本島中央部に位置する嘉手納市に到着。街並みと米軍基地を望む高台でひと休み。自分の足で漕いでいくと、沖縄はいかに起伏に富む土地なのかを実感できる。ここから沖縄本島を横断し、東海岸へ向かって漕ぎ進める。
高速道路に乗ってしまうとなかなか立ち寄らない、内陸に位置した沖縄市。この街の一角には、壁画で歴史を語り継ぐ
コザ十字路歴史絵巻が現れる。琉球王国時代から戦後米軍統治下時代までの様子が、鮮やかなグラフィックで描かれているのだ。こんな発見も違うルートならでは。
うるま市、金武市を抜け、宜野座村へ。
ここまで来ると、観光地然とした喧騒はまるでない。生い茂る沖縄特有の植物と、ただただ海が広がる。ラジオを聴きながら、日陰でただじーっと座っている地元のおじさんを目にして思わずほっこり。長閑な空気は、開発された南国ではなく、生の沖縄の生活を肌で感じさせてくれる。
年期の入った石垣と、潮風に吹かれるサトウキビ畑に囲まれた、どこか懐かしい道を通り抜けたら、目的地に到着だ。
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