「ストリートは遠慮します」な低身長さんも、西海岸風ならOKです
体型による服選びの悩み。これは誰もが抱えるもので、“いい体”のアスリートだって例外ではない。本企画では、3名のアスリートと、2名の同世代に登場してもらいつつ、体型とファッションのいい関係の作り方を導き出す。
街で見かけるお洒落な人たちのなかにも、体型の悩みを抱えている人は少なくない。それをおくびにも出さないのは、上手くウィークポイントをカバーできているから。
今回は低身長でありながらまるでそう感じさせないお洒落さんを代表し、牧野弘生さんにご登場いただいた。
かつて本誌でも
「街角パパラッチ」させていただいた牧野さんは、ショップ店員というだけあってコーディネイトは巧みだ。
この日はオーラリーのシャツにコモリのカーゴパンツという組み合わせ。素材はいずれもリネンで涼しげだ。下手をすればラフになりすぎるスタイルだが、光沢感のあるパラブーツのサンダルと腕元のロレックスとアクセサリーが程よいバランスに仕上げている。
でも牧野さん、165cmという身長が故に「ストリートっぽいファッションは子供っぽくなってしまうので、どうしても避けがちですね。自分に似合えば大歓迎なんですが……」とのこと。
であれば、似合うストリートコーデを提案しましょう。ということで、今回はストリートなアイテムも多数揃えるフリークス ストア渋谷を訪問。身長など無関係に楽しめるストリートコーデを模索した。
ストリートにも“年相応”なアイテムがある
「さすがにストリートっぽい服がたくさんありますね」。
そうつぶやきながら店内を見て回る牧野さん。「フリークス ストアはあまりきたことがないですね。もちろん知っていますが、自分には似合わないのかなぁなんて思っていました」。
なるほど。ご本人はこう言っていますが、フリークス ストア渋谷の塚原早人さんによると……
「牧野さんにも似合う服はいっぱいあると思いますよ。ストリートと言ってもさまざまな種類がありますから。身長の大小に関わらず、大人には大人らしいストリートファッションもあります」。
塚原さんにアイテム紹介をしてもらう牧野さん。……おっ、平積みになっているスタプレストに反応。
「このラングラーの新作は質感も柔らかくて、軽いうえにシルエットも太すぎず人気ですね」。
こうしたスタプレストも牧野さんは普段あまりはかないそうだが、ちょっと気になっている様子。
牧野さんはヴァンズについても王道のオーセンティックをひとつ所持しているだけで、あまり手を伸ばしたことがないという。「こんなユニークなデザインもあるんですね」と興味津々。
「ぜひヴァンズもいかがですか? スケシューなら、バッシュとかよりも落ち着いたストリート感を出せますから、今後も重宝すると思いますよ」。
と、ここでコーディネイトのイメージが完成。では牧野さん、コーディネイトルームへいってらっしゃいませ。
完成! 低身長でも子供っぽく見えない「西海岸風ストリート」
今回完成した、低身長でも子供っぽく見えないストリートファッションがコチラ。
コーディネイトのポイントは?
「“大人のストリート”をテーマに、西海岸のストリートをイメージして組みました。いちばんの特徴は、70年代に流行ったようなフレアっぽいパンツのシルエットですね。これは往年の美脚シルエットで、脚長効果も生まれますから、自然と身長も少し高く見える効果があります」。
さらに、「やや大きめのトップスを持ってきたこともポイントですね。上までタイトにしてしまうと本当の70年代ファッションになるので、上は着慣れているゆったりサイズをそのまま応用していますので、プライベートでもすぐに実践できるかと思います」。
低身長をカバーしつつ、年齢的なストリートファッションへの抵抗感もクリアした「西海岸風ストリート」スタイル。ラングラーのブラウンパンツと黄色いチェッカーフラッグ柄のヴァンズの相性がよく、ほどよいボリューム感の白シャツがさらに大人っぽさを演出している。
「自分じゃ想像もつかないコーディネイトなので、すごく新鮮ですね!(笑)。普段はルーズなパンツも多いのですが、これくらいのストレートならあまり抵抗もないし、今後、服を選ぶときの参考になりそうです」。
牧野さんが行った店
フリークス ストア渋谷 03-6415-7728 東京都渋谷区神南1-13-1 |
池本史彦=写真 柴山陽平=スタイリング