>連載「Good Packing Guy」を読む アウトドアフィールドに出かけるなら、荷物は少なく身軽なほうがフットワークも軽くなり、遊びを満喫できそうなもの。しかし、せっかくの旅先ならファッションにも気を配りたいと思い、着替えで荷物が重くなって後悔することも。
外遊びに最適なシーズン目前の今、そんな悩みとはおさらばしたいところだ。
そこで、夏のアクティビティの代表格・サーフィンを嗜む人に、お洒落にサーフトリップを楽しむパッキングのコツを伝授してもらおう。
前回、海外へのサーフトリップのパッキングについて聞いた、サーフ歴20年以上のChah Chah(チャーチャー) ディレクター・金替雄太さんに、引き続き教えてもらった。
「国内サーフトリップは、毎年恒例で種子島へ向かいます。海外のサーフトリップと同様、サーフィンに必要なアイテムがすべて入るインナーバルブケースはマスト。国内の場合は、そのほかはほぼ手ぶら(笑)。身軽に動けるファッションアイテムのみで十分だと思いますよ」(金替さん ※以下カッコ内はすべて)。
国内旅行とはいえ、そんなにコンパクトに、しかもスタイルのキマるものを選べるものなのか? 早速、ポイントを教えてもらおう。
旅のお供はこれひとつ!海にも連れ出すバッグ
「ボードケース以外は手ぶらでも」ということだったが、あえて持って行くなら……と聞くと、それでもトートバッグひとつで十分とのこと。B印 ヨシダのバッグは仕事中も使っている、まさに相棒的な存在。
「A4サイズが余裕で入るサイズで、連泊の場合もこれひとつで事足ります。ボディがキャンバス地だからとにかく丈夫。雑に扱っても気にならないので、海にも持っていきます」。
現地へ到着後は、このバッグとサーフボードを持ち海へ向かうとか。手荷物がコンパクトなら、荷物を預けるためホテルに寄る手間が省ける。丈夫なバッグのおかげでフットワークが軽くなるというのだ。
Tシャツがあれば、着替えに困らない
さっそく、そんなトートバッグの中身を拝見すると、一番多いものでウェア類だが、着替えはなんとTシャツのみ。
「着替えはTシャツと下着くらい。カラフルなデザインのほか、ベーシックなカラーを数枚持っていれば、どんな場所でも困りません。最悪、現地で洗濯・乾燥できて、かさ張らないことも重要なポイント」。
やはり汎用性の高さから、着替えはTシャツがベストという結論。金替さんのように、シンプルなアイテムでもカラーで遊ぶというアイデアは、ぜひ真似したい。
サングラス2個持ちで、気軽に気分を変える
アクティビティメインとはいえ、旅行中のファッションも気合いは入れたいのが男ゴコロ。そんなときに活躍するのがサングラスだ。
「メインのサングラスのほかに、もうひとつ持って行くのがおすすめ。レンズやフレームの雰囲気が違うデザインを選びます。付け替えるだけでかなり印象が変わるので、気分やシチュエーションで変えられると気分が上がる。ウェアは荷物になりますが、サングラスはコンパクトに収まります」。
海辺は日差しが眩しいため、アクティビティ用ギアとしても実用性は抜群。金替さんはカリフォルニア発のブランド、ギャレット・ライトのサングラスをチョイスしている。
旅先でも気を抜かない、男の嗜み
メンズもスキンケアがスタンダードになりつつある今、金替さんもケアアイテムを携帯。キャンバス地のポーチには、化粧水のほかハンドスプレー、フレグランスをイン。
海で遊んだあとはシャワーが必須。国内トリップではバッグひとつで出掛けるため必ず持ち歩いているとか。
「最低限、身だしなみを整えるためのアイテムだけですが、ハンドスプレーはいつでも使えるので、旅先以外でも持ち歩きます」。
手ぶらで遊べる理由は、アウターにあり
金替さんが旅でいちばんの必須アイテムだと話すのが、こちらのアウターたち。
左はChahChah(チャーチャー)とLee(リー)、TEN BOX(テンボックス)がトリプルコラボしたジャケットで、
前回紹介したオーバーオールと同じシリーズ。右はチャーチャー×テンボックスのニットカーディガンだ。
「国内旅行をほぼ手ぶらで過ごせる理由は、このアウターのおかげ。どちらも大きめのポケットが付いていて、財布、鍵、サングラスと、小物がすべて収まります」。
ジャケットの前身頃の内面に大きなポケットが付き、驚くほどの収納力。なんと、そのままビールも入れられるほど!
実際、このコーディネイトでサーフトリップへ出掛けるそう。内ポケットを活用しバッグは持たないこともしばしば。スマホはストラップ付きのケースを愛用し、落とす心配もなく、いつでも操作できるため非常に便利だ。
「サーフトリップ中、どうしてもボードやウェットスーツなど大きめのアイテムを持ち歩く必要があるので、こうした手ぶらコーデは本当にオススメです」。
海外ほどハードルの高くない国内サーフトリップ。せっかくの旅行、思い出の写真を残すなら万全のスタイルで写りたいのが本音だが、遊ぶ時間が限られるなか、大荷物を抱えての移動や必要なアイテムをいちいち取り出して……なんて手間は惜しい。
今回のようにバッグひとつで完結するパッキングなら、海へそのまま出かけても着替えに困らず、移動時間も最小限で済む。
しかも、ファッションにも手を抜かないアイテム選びを実践できれば、急な食事や買い物にも対応でき、旅先でのフットワークがさらに軽くなること間違いなし。
金替さんのパッキングを参考に、今年の夏は身も心も万全な状態で旅行を楽しんでほしいところだ。
櫛ビキチエ=写真 金光照子=取材・文