結局「ヴィンテージには勝てない」のか?
ーー製品の作りなどについて注意すべき点はありますか?
岡田 私の店で扱っているヴィンテージには製品保証がついていますので、あまり心配する必要はありません。古着店や蚤の市などで買うときは基本的に自己責任。負担の大きいヨロイ(フロントとテンプルの接合部)にガタがきているものは避けたほうがいいかもしれません。でも「それでもいい」と買う人もいるわけですから、結局個人の好みになってしまいますよね。
髙木 それよりも、ヴィンテージを知らない人にとっては「本当にこの値段は適正なのか?」という疑問があるかもしれません。決して安いものではないですし。ザ・スペクタクルを買おうと最初に思ったのは、コンディションが非常に良かったからなんです。確かに1点モノですけど、いろいろなタイプが選べますし、きれいにクリーニングされていますし。
岡田 金張りのアイウェアは、やはり現代のものよりもクオリティが高いと思います。プラスチックフレームも、古いものは油分を多く含んだ可塑剤(合成樹脂に加えて柔軟性を向上させる添加薬品)が入っているので耐久性があります。今のものに比べて多少重量感がありますが、その質感が好きだという方も多い。それと、今はNC加工機で滑らかに作るのですが。昔はセルの一枚板を金型で打ち抜いていたんです。もちろん最後に磨きますが“角が立っている”(と、’50〜’60年代のフランス製フレームを見せながら)んですよね。
“角の立った”プラスチックフレーム’50〜’60年代のサングラス。フランス・ジュラ地方で作られたクラウンパントと呼ばれるクラシックなフレーム型。