軽装になってポケットが減る夏は、スマホや財布、カギなど、常に持ち歩く“ちょっとした荷物”のやり場に困るもの。
とはいえ、バッグを持つのも暑苦しいし面倒。そんなときは四次元ポケット! とまではいかなくとも、高収納力な一本を選べば気軽な手ぶらがかなう。
サコッシュ搭載パンツ!? 日常の携行品がスッポリ
MAKE SENSE LABORATORY メイク センス ラボラトリー
デビューから1年の新参でありながら、早くも業界で存在感を発揮するパンツ専門ブランド、メイク センス ラボラトリー。その名を一躍広めた立役者といえるのが、 テブラポケット搭載の「ノマド」だ。
デザイナーの鈴木輝永さんは「日常生活には常に何かしらの持ち物があります。スマホや財布、家やクルマの鍵、ハンカチなど最低限の携行品だけでも意外とアレコレある。さらに海外へ行くと、渡航先ではホテルの近くに出かけるだけでも、これに加えてパスポートも携帯。こうした、ちょっとしたモノを入れるために、いちいちバッグを持つことに以前からストレスを感じていました」という。
そこで鈴木さんは、パンツ自体にサコッシュのようなミニバッグサイズのポケットを取り付けるユニークな仕様を考案。使わないときは腰の内側に隠して普通のトラウザーズとしてはき、必要に応じてペロリと外側に垂らす仕組みだ。また内側に収納した際もゴワゴワとモタつかず、荷物を入れても破れないように極薄&軽量、ツルツルと滑りが良く、それでいてタフで破れにくいリップストップの高密度ナイロンを採用している。
「長財布や文庫本も余裕で入り、そのまま座っても下敷きになりません。なので、座るたびに尻ポケットから財布などを出してテーブルや膝に避難させる手間がなく、結果として置き忘れや紛失防止にもつながります」。日常のリアルなワンシーンから発想される明確なコンセプトと、それに基づく実用的な作り込み。ただ好評のポイントは、それだけにあらず。
「僕の実家は90年以上続く縫製工場でさまざまな高級百貨店のスラックスを手掛けていました。この生産背景を活かし、そのノウハウを落とし込んだ洋服作りもブランドの強みです」。
パンツそのものの仕立てが良く、立ち姿や歩く姿がスタイリッシュにキマる。機能だけのプロダクトではなく、あくまでファッションアイテムとして格好良さを追求した。手ブラで快適、しかも洒落ているのだから、休日のたびに脚を通してしまう大人が絶えないのも納得だ。
話を聞いたのは、この人!メイク センス ラボラトリーのデザイナー
鈴木輝永さん1969年生まれ。スラックスを専門とする老舗の縫製工場を営む家に育ち、幼少時代より洋服作りの現場に触れる。その後いくつかのブランドでキャリアを積み、2018年に現ブランドをスタート。
テブラポケットが搭載された「ノマド」と名付けられたこちらのコンセプトは「旅と移動」。前背面の4つのポケットに加え、右腰にリップストップナイロンの大型ジップポケットを搭載。また、このポケットが不要なときは内側に隠すことも。さらに内股のジッパーを開けると蒸れを逃すメッシュ地のベンチレーションが出現。生地の伸縮性や細かいディテール、さらに高収納力と相まって全方位的にノンストレス。
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