誕生にいたるまでの経緯、受け継がれてきた歴史や伝統、あるいは作り手たちの想い。プロダクトの裏に横たわる、確かな物語。奥深いアクセの魅力を関係者の言葉を借りて解説する。
由緒ある銀食器、そのままの伝統の技で細部まで作り込む
CUILLERE EN 925 キュイエール アン 925
江戸から伝わる伝統技法を用い、皇室の食器製作でも知られる上田銀器工芸。キュイエール アン 925は2016年にそのシルバーカトラリーブランドのアクセラインとして始動。広報を務める小田純さん曰く、誕生は「シルバーをもっと身近に感じてほしい」という想いの結実でもある。
「モノ作りにおいて追求しているのは、何百年も使い続けられる銀食器と同じ。持ち主が自身の歴史を重ねていくように、常に身に着けていただけるものです。そして、シルバーは育ちます。使えば使うほど味わいが増し、シルバー特有の変色も味に変わります。その変化を楽しみながら、世界でひとつだけのアクセに育ててもらえたらと思っています」。
家族愛と自然愛を花に託したハンドクラフトアクセサリー
GUSTAVO グスタボ
「アルゼンチンで手掛けられるグスタボのアクセサリーは家族愛の結晶」。そう語るのは、この作品を展開する東京・中目黒の人気店「ルーツトゥブランチズ」の店長・藤沢紗代さんだ。「デザイナーはアルゼンチンのブエノスアイレスの郊外に暮らす、グスタボ。結婚後、子供を授かったことをきっかけに、家族や愛犬と過ごす時間を作るために彼はサラリーマン生活を辞めて夫婦でブランドを立ち上げます。
奥さまが庭で育てた花を用いて、彼が自宅工房でアクセサリーにする。それがこの銅やアルミなどの合金で作られたバングル。色鮮やかな押し花をトップに閉じ込めた表情豊かなバングルは、すべてに異なる花が使われた一点もの。家族愛のみならず、子供たちに自然の大切さを教えていきたいという想いまで形にした、とても素敵な作品なんです」。
山本雄生=写真 柴山陽平=スタイリング 大内康行=文