男は40歳くらいになると、何かと好きなものはそうそう変わらない。だからワードローブも徐々に固定化されていく。買い物をするたびにパートナーからは「それ持ってるよね?」と突っ込まれた経験は誰もがあるはずだ。
そこで種さんは「スタイルがコリ固まったオッサンにならないためには、ときには冒険も大事」と説く。その心は?
「種カジのタネあかし」を最初から読む 「この年になるとワードローブって、どうしても固定化してくるじゃないですか」ということで、種さんが手にしたのは意外にもオーバーオール。いわゆる直球のワークじゃないシルエットとディテールがすごく気に入っているんだとか。
とはいえ、誰もが種さんみたいに冒険的なアイテムチョイスでワードローブを広げられるわけじゃない。そこでコツを聞いてみると「映画の主人公やミュージシャン、アスリートなど、自分の好きな人をコスプレしてしまうのがオススメ」とのお答えが。
今回この服のネタ元も、実は種さんのマイヒーロー、リバー・フェニッックス。かつて雑誌で料理人風のスタイリングをしていたのを覚えていて、それを参考にしたという。後ろ向きで被ったキャップもそのまんま。
そうと聞けば、なんだか我々にもできそうな気がしてきたんじゃない?
キャップはまた違う大物俳優のオマージュだった!?
「なくなるって聞いて慌ててゲットしました」というインディアンスロゴのBBキャップ。着こなしのイメージはベン・アフレックで、セレブがMLB観戦で被るダサい感じが好きなんだとか。
毒を食らわば皿まで。種さんの着こなしを見れば、やりきったほうがいいということがよく分かる。「この連載で自分でも“タネ”を検証していくと新鮮な発見も多い。単に着こなしだけでなく、今まで培った“タネのタネ”も伝えたくて」と語る種さん。なにやら最終回? ってくらいいいことを言っているけれど、ご安心を。まだまだ、タネに終わりはありません!
PROFILE
たねいちあきら●1972年生まれの45歳、東京下町出身。サーフィンを愛する海男。長年勤め上げたビームスを退社し、現在はフリーランスとしてブランドのコンサルティングやプロダクトのディレクションなどを手掛ける。種カジのこぼれネタがポストされるインスタグラム(@taneichiakira)もチェック!
山本 大=写真