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気づいたら上達している。そのくらいが、ちょうどいい


最後に、親子ウクレレをやるうえで、子供ならではの注意点も聞いてみた。

「子供は皮膚が厚くないので、大人より指を痛めやすい。練習中は適度に休憩をとりましょう。子供は歌、パパはコード演奏というふうに、一時的に役割分担するのもおすすめです」。

なるほど、親として目を光らせたいポイントだ。では、ほかに父らしく振る舞うべきシーンはあるのだろうか? ……そう聞くと、Lina Linaさんは「そんなに気張らなくて大丈夫」と笑った。

「親子がよーいドンでウクレレを始めたら、だいたい子供のほうが上達は早いです。だから、親は逆にリードされる立場になるんじゃないですか(笑)。親子で同じ目線に立てるのも、ウクレレのいいところですよ」。



親も子も関係ない。「父だから」と背伸びしてリードするのではなく、ともに上達を目指していく。

「競い合うよりは、褒め合いましょう。親子で『今の演奏どうだった?』『すごく上手だった』って和気あいあいとやり取りする。褒められるから楽しいし、楽しいから上達する。そんなウクレレ親子、素敵じゃないですか?」。

親子でのセッションがサマになったら、いよいよお披露目。一緒に弾き語りするもよし、歌とコードを役割分担するもよし。お好みのスタイルで、オンステージを楽しもう。

楽器を始めるとなると、技術の習得ばかりに意識を奪われがち。それもひとつの楽しみ方だが、ウクレレなら肩の力を抜いていい。親子の時間を過ごしながら、気づいたら上達している。そのくらいが、ウクレレにはちょうどいいのかもしれない。

 

佐藤宇紘=取材・文
小島マサヒロ=撮影

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