イタリアを代表する2つのハイブランドから届いた、無視できない眼差しを持つアイテム。見つめられるほどに気になってしまうが、その視線の主は、実は……
ムシできない昆虫たちの眼差し
若者たちには新鮮なのだろう、近頃’90年代テイストの服を着る彼らの姿が目に入ってくる。我々も昔取った杵柄で、あのポップなセンスをうまいこと、大人の余裕で取り入れてみたい。
さて、そこでフェンディの「バッグバグズ」だ。2013年に登場した、チャーミングな眼差しのモチーフ。そのモンスターの「目」を持ったリアルな昆虫モチーフ「スーパー バグズ」を全面にあしらったのが、このシルクブルゾンだ。エレガントな素材感とセンスの良いグラフィックゆえに、40代の食指も動く。時代の最先端をいくフェンディ。追いつきたいと思ったなら、この服はムシできないね。
涙を流す瞳。それが意味するものとは?
今年1月、コンサート活動からの引退を表明したエルトン・ジョン。今秋から3年にわたる最後のワールドツアーの衣装を担当するのがグッチだ。クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが創り出す世界観と、そのグッチが「SHOWMAN」と評するエルトン・ジョンのゴージャスな雰囲気はベストマッチであろう。
カプセルコレクションとして作られた、シングル「LEVON」(’71年)のアートワークがプリントされたレザートート。ポーチが付属し、ブルーにゴールドの星をあしらったタグが付く。グッチとエルトン・ジョンが起こす化学反応に期待したい。
中村利和(BOIL)=写真 松本有記=スタイリング