「知ってホッとする冬服大全」とは…… もし、冬の寒さを一発でブロックしたいなら、やはりアウター候補はダウン一択となる。流行に左右されにくいその普遍的デザインは、向こう10年を考えてもきっといい買い物になるに違いない。
今回向かった先は、’90年代から我々の味方として支えてくれているパタゴニア。話を聞いてみれば、そのダウンへのこだわりはやはり並じゃないことがよくわかる。
フリースだけじゃない! 長年続くダウン作り
パタゴニアの冬服と聞いて、真っ先に思い浮かぶのはフリースかもしれない。パタゴニアはこの素材がどれだけ有益かを世に知らしめた功労者であり、レトロX・ジャケットやシンチラ・ジャケットなど、名作と呼ばれるアイテムは数知れない。
その陰に隠れがちだが、パタゴニア 東京・渋谷のスタッフ、唐澤さんは「ダウンも同社を語るうえで欠かせません」と話す。
「たしかに、フリースの方がよく知られてはいますが、ダウン製品も静かに、そして確実に認知されてきた経緯があります。ダウン製品もフリース製品と同様に、長期間にわたって製造を続けてきました。創業者のイヴォン・シュイナードがダウンウェアの試作をした際は、ダウンを詰めるのに特別な道具がなかったため、掃除機で吸って封入する方法をとっていたそうです(笑)」。
ダウンは冬服の王道としてあらゆるブランドが製作してきたが、その裏では環境、トレーサビリティ(原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすること)、動物福祉といった観点から問題視する声も上がっていた。そこにいち早くメスを入れたのもまたパタゴニアである。
「パタゴニアでは2014年にトレーサブルダウン100%を達成し、2016年からはリサイクルダウンも取り入れ、今はその2種類を主に採用しています。そうすることで、サプライチェーン全体を含めたトレーサビリティの大切さを、アパレル業界を含めた多くの企業に伝えたいという想いもあります」。
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