池尻大橋、山手通り沿いのハンバーガー店。店先に置かれた年季の入ったベンチで、オーナーの久富信矢さんとフランクにトークが始まった。
久富 元気だった?
渡辺 うん、元気よ。ノブリン(久富の愛称)も元気そうだね。この店ができて、もうだいぶ経つよね。
久富 今年の4月で13年目かな。
渡辺 当初は、まだプレミアムなハンバーガーが浸透していなかったよね。
久富 そうね。ベベタン(渡辺の愛称)と出会ったのも、その前くらいかな。
渡辺 訓ちゃん(クリエイター・野村訓市)に、「めちゃくちゃウマいイタメシを出す屋台があるんだよ」って聞いて。
久富 あ〜、神宮前でリヤカーを引いて屋台を出していた頃ね。
渡辺 で、仲間とハンバーガー店を開いたんだよね。これがまたウマくてビックリ。それまでジャンクフードでしかなかったハンバーガーの概念が、一気にひっくり返ったよ。ここって前は某バーガーチェーン店があった場所?
久富 さすが、よく知ってるね〜。それも、ハンバーガー店にした理由(笑)。
渡辺 洒落が効いてる! ただ、味はそういう店と比べるとまったく別もの。濃厚なスモークチーズとマッシュルームを使った看板メニュー、「ゴールデンブラウンバーガー」はアメリカから来た友達に紹介しても、「こんなウマいのは初めてだ!」って感動してくれる。
久富 ありがとう! でも当時は高いハンバーガーがなぜか流行ってるって、ニュースとかで否定的だったよ(笑)。
渡辺 誤解されがちで、実は原価計算とか度外視して味を追求してるよね。
久富 美味しいものにはお金がかかるよ(笑)。この前、まだ2歳の男の子が丸々1個完食してくれてうれしかった。
渡辺 へえ! 子供は素直だから、大人より味覚が鋭いのかもね。ファサードも内装もいい感じ。だからよく撮影で使われたりもしてるよね。
久富 50年前からあったみたいな“老舗感”がテーマで、あえてピカピカじゃない店にしたかったんだ。デザインは訓市たちの設計デザイン事務所、トリップスター。イメージは、映画『ゴッドファーザー』に登場する「ジェンコ・オリーブオイル・カンパニー」。
渡辺 なるほど! どんどんいい味が出てる。福岡にも店を出したんだっけ?
久富 そう、あとは金沢でフードトラック版ゴールデン ブラウンもやってる。あ! そういえば、Tシャツ作ろうよ。ずっとやりたいって言ってたよね。
渡辺 いいね、やろうやろう!
——実はこのTシャツコラボ企画が、現在絶賛進行中とのこと。絶品のハンバーガーよろしく、濃厚でスタイリッシュなTシャツを、乞うご期待!