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全日本選手権優勝を叶えた練習環境とローカルの仲間たちの存在


– 普段はどのくらい練習していますか?
ほぼ毎日乗っています。今は日本代表強化育成選手なのでこのコロナ禍の中でも毎月2回くらい4日間ほど岡山で合宿があります。それ以外に地元にいる時は鵠沼で乗ったり、たまに違うパークへ遠征したりしています。
– 鵠沼スケートパークには日本トップの若手ライダーが多いですよね。一緒に練習していますか?
はい。ジョージ(溝垣丈司選手)とかコタロウ(貝瀬鼓太郎選手)とは一緒に練習することは多いです。私と年齢が近いですが、彼らは自分よりも何倍も上手い選手たちなので、走りを見て真似させてもらうことは多いです。トリックでも自分がメイクに苦戦している時はコツを聞いたりして自分の練習に活かしています。
– 実際どういう形で活かされていると感じますか?
トリックは何回も何回も繰り返してできるようにならないと、大会の緊張感の中ではメイクできないので練習する中で彼らからコツを聞いたり真似できることはメイク率を上げるためにとても役立っていると感じます。

– 日々たくさん練習されていると思いますが、今までで一番辛かった経験を聞かせてもらえますか?
2019年にあった中国の世界大会へ出発する3日前に大きなクラッシュをしてしまったことですね。結構高いセクションから転倒して頭を打ち意識を失うほどの大怪我でした。
その時は大会への参加がかなり厳しい状態だったのですが、とても楽しみにしていた大会だったのでそんな状況の中でも行くことにしたんです。
– そんな状況でも行かれたんですね。ライディングに変化はありましたか?
はい。実際に現地へ行って大会のパークでライディングしてみたら、数日間乗らなかっただけで筋肉も落ちていて足に力が入らない状態でした。予定していたトリックも全然決まらず焦りもあったので練習できるタイミングを見てはとにかくひたすら乗りました。
– それは精神的にも肉体的も辛い時間でしたよね。
辛かったです。また中国での大会だったので、言葉も分からずいつが練習時間なのかも分からない状態だったので、パークがオープンしていて走れそうな時は男子に混ざりながらも、自分の感覚を3日間の練習期間で取り戻そうと必死に練習しました。

– その短い練習期間の中でどれくらい取り戻せたんですか?
結果としては2位で表彰台には乗れたので少しほっとしましたが、本来予定していた走りは全然できなかったので、自分の力を発揮できずとても苦しく悔しい大会でした。
– そんな辛い経験も乗り越えて、今年は初めてのエリートカテゴリーで全日本選手権優勝しましたね。今回勝つことができた秘訣や準備してきたことはありましたか?
大会4日前まで岡山のLIGHTパークで1週間合宿をしてみっちり練習しました。(LIGHTパークが)鵠沼よりセクションが大きいので、大会に近い環境でトリック練習をしながらセクションのサイズ感にも慣れることができたことが今回の結果に繋がった理由の一つなのかなと思います。
女子エリート1年目で全日本選手権優勝した内藤寧々(左) photo by Naoki Gaman / Japan Cycling Federation
– トリックで大会のために用意した技やメイク率を上げるために取り組んだことはありましたか?
はい。クォーターセクションでエアターンして決める「テールウィップ」はメイク率を上げるために特に練習しました。
全日本選手権の前に茨城で開催されたJapan Cupではメイクできず転倒してしまい悔しかったので、今回の全日本選手権では絶対成功させたいと思っていました。結果的に綺麗にメイクできたのでとても嬉しかったです。
メイク率を上げたエアターン・テールウィップ photo by Naoki Gaman / Japan Cycling Federation
– ちなみに現在取り組んでいる新トリックもあったりしますか?
今(2021年10月取材時)は無いです。次の大会が12月から11月の初めに早まったので、今はひたすらメイクできるトリックの完成度を上げるために練習しています。どんなトリックに次挑戦するのかは是非楽しみにしてもらえたらと思います!


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