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2021.11.06

ファッション

全フィールドに“黒”。ホワイトマウンテニアリングが「BLK」復活を決めた理由

パリコレクションブランドだけれど、どこか親しみがある。
オーシャンズ世代のデザイナー、相澤陽介さんが手掛けるホワイトマウンテニアリングといえば、多くの人がそんな印象を抱いていることだろう。
ホワイトマウンテニアリング  デザイナー 相澤陽介さん●1977年生まれ。2006年より自身のブランドを開始、ʼ16年よりパリコレクションに参加する。本文に挙げた活動のほか、ブランドのディレクションやヤマト運輸の制服デザインなど、活躍するフィールドは多岐にわたる。
「どちらかといえば、究極の定番を作りたいタイプ」と自らを評するとおり、デザインされたなかにも普遍的な何かを感じ取れる服作りが特徴。そして、もう一点。相澤さん自身が、驚くほど多くのプロジェクトに参画し、いたるところでその名を見かけることも、親しみやすさの所以と思われる。
オーシャンズ12月号のテーマである「ボーダーレスな服」に直球でピタリとハマるブランドだと思うが、ここ最近のトピックとしてまず注目したいのが、昨年10年ぶりに復活を遂げたライン「BLK」だ。
全フィールドに対応する“黒”。ホワイトマウンテニアリング・デザイナーが「BLK」の復活を決めたワケ
BLKのジャケット&パンツ。ジャケットには、機能素材「ソロテックス」を採用。ストレッチ性や吸水速乾性が高く扱いやすい。高密度のタフタ生地で仕立てたパンツはシワになりにくく、相澤さん曰く「運転にも最適なユーティリティ性がある」のだ。ジャケット5万7200円、Tシャツ1万2100円、パンツ2万7500円、スニーカー参考商品/すべてホワイトマウンテニアリング、バックパック5万8300円/ホワイトマウンテニアリング × ブリーフィング(ともにホワイトマウンテニアリング 03-6416-5381)
現代のファンクションを十分に備えてアウトドアの要素をキープしながら、すべてをブラックで統一することにより、あらゆる日常に溶け込んでいく。まさに都会とフィールドのボーダーを飛び越えた服作り。
相澤さんが、自分にとって現実的な洋服とは何かを考えた結果、たどりついたのがBLKの復活なのだという。
「コロナ禍以降のニューライフスタイルで都会にいる時間が少なくなりました。だからこそ、都市と山を、自分の服だけで行き来する感覚が養えた。そういう服の重要性をより色濃く感じました。その考えを象徴するのがBLKなのです」。
「黒い服を着る機会が、本当に増えました。北海道コンサドーレ札幌の取締役や、母校・多摩美術大学の客員教授、あるいは、食品会社のパッケージデザインを手掛けるなど、いわゆるおカタい場への出席頻度が高まったのが主な理由。
いくらデザイナーとはいえ、人を不快にさせないためにも、折り目正しい服装で臨みたいわけです。都会のアウトドアを標榜していても、さすがにマウンテンパーカでは出席できませんからね(笑)」。
後編に続く
芹澤信次=写真(人物) Taichi=写真(取材) 菊池陽之介=スタイリング 竹井 温(&’s management)=ヘアメイク 髙村将司=文


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