藤原ヒロシさん。1990年代は、グッドイナフのTシャツに心震えたあの頃が懐かしく、ロレックスもナイキもレッドウィングも、彼がその魅力を伝えてくれていた。
ハイファッションがストリート化している昨今の潮流において、その源流ともいえる彼のクリエイションを改めて見れば、素直に「いいな」と感じる。
今季。なんとラグジュアリーファッションの最高峰、ロロ・ピアーナが、彼の名を冠したカプセルコレクション「ロロ・ピアーナ フィーチャリング ヒロシ・フジワラ」をローンチするとの報が!
最高品質の素材使いゆえ、気分がアガる服として一目置かれるロロ・ピアーナの職人技に、藤原さんが、いたるところで実践して人々を魅了したツイスト感が、文字どおりリミックスされているではないか。
ベビー・カシミヤに施した穴あき加工や、意外な場所へのブランドタグ装着など、アイテムを見れば、「ヤラれた!」と膝を打つものばかり。
年を重ねて、ラグジュアリーな服も大いに視野に入る我々の気分にマッチする。そう、素材の魅力を活かしたまま、ちょっとしたディテールの変更が得意だったんだ。コレだよ、コレ。
思えば、’90年代から、僕らの欲しいをずっと彼は表現してくれていた。そして、2021年になった今も、同じ感覚が共有できているのだなぁと思う。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 髙村将司=文