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「今回は、一つの競技のウエア作りではなく、競技、年齢、性別が異なる日本代表選手団のウエアとなります。コーチをはじめとするスタッフの方も着用しますよね。体が熱くなりがちなゾーンというのは、着用者によってそれぞれで位置が異なります。
1つのデザインで全員が正しく着用できるよう表現する部分が最も難しかったです。我々が作るものは、選手が安心して着用できて、またカッコよく見えるものです。実際に表彰台にいる姿を見ていると、凛とした表情で逞しく見えたので安心できました」。(大堀)

ライフスタイルウエアに適応されるアシックスの技術

「障がいのある方が着用しても、スムーズに着脱できるようになっています」。(大堀)
というのも、同ジャケットのフロントファスナーは珍しい仕様となっている。簡単にファスナーの左右が組み合い、そのまま少ない力で持ち上げることができるのだ。
また、ジャケットを脱ぐ際はスライダーより上側を左右に引っ張るだけで、簡単にファスナーが開く。いずれも片手で脱着が可能であることを意味している。
ファスナーの端があまり見ない形状になっている。着脱が容易になるという形だ。
シューズにもこういった工夫が。サンライズレッドが採用された選手のシューズは、車イスのアスリートや義足アスリートにも対応するため、履き口が広く設計されている。
足が不自由だったり、義足であっても、スムーズにシューズに足入れができるのだ。紐も軽く引っ張るだけで締まってくれるので、履く人を選ばない。

スポーツウエアの進化は日進月歩である。今回のこの日本代表選手団オフィシャルスポーツウェアの衣服内環境を保ち快適性を担保する技術は、「軽量性」「速乾性」「はっ水性」でも、高いレベルで表現している。また、いずれアクティブリーズテックは、Tシャツなどのライフスタイルウエアにも適応されていく予定だと大堀氏は話す。
今回、このポディウムジャケットなどのレプリカモデルが販売されている。一般にレプリカモデルは形が異なるモデルが多いが、今回はほぼ同じと言える。
ポディウムジャケットは、上記の機能を搭載した選手モデルである(エンブレムデザインや一部の仕様は異なる)。47300 円(税込)と高額ではあるが、公式ECを見るとXS〜M、XL~3XLが完売していることから、その注目の高さがうかがえる(2021年9月6日現在)。
インパクトあるサンライズレッドの高機能ウエアに身を包んで、選手に想いを馳せてみるのも良いだろう。
 
上沼祐樹=文 西川節子=写真
記事提供=Forbes JAPAN


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