コンバースのオールスター。ナイキのエア マックス。リーボックのインスタポンプ フューリー。“一世を風靡したスニーカー”は多い。
そしてスニーカーのトレンドと世相というのは、程度の差はあれどやはり相関関係にあると思う。
では現代のスニーカーはどんな世相を反映しているのか。この2足から抽出してみたいと思う。
まずはディオール。アイコニックな定番モデル「B23」の新作である。アルミニウムバックル付きのクロスストラップに、秋らしい落ち着いた色の迷彩柄のアッパー。この柄に秘密がある。
現代アーティストのピーター・ドイグとのコラボで、彼の作品「MORUGA」の空や海にクローズアップし、カモフラージュ柄に見立てたのだ。
もう一足はルイ・ヴィトン初のユニセックスとなるスニーカー、「チャーリー」。
アッパーにリサイクルポリエステルとトウモロコシを原料とするプラスチック「バイオポリオーリ」を、ソールにリサイクルラバーを使用。シューレース、タン、裏地やインソールももちろんリサイクル素材で作られている。
現代アート、ユニセックス、そしてサステイナブル。最先端のスニーカーには、やはり今という時代を象徴するキーワードが落とし込まれているのだ。
そしてそれらを率先して発信するのが、今をときめくラグジュアリーブランドであるというのもまた、現代を象徴していると思う。
清水健吾=写真 来田拓也=スタイリング 加瀬友重=文