当記事は「FLUX」の提供記事です。元記事はこちら。 ハワイ、ホノルルの写真をインスタにアップする @misterver さん。写真のほとんどはいわゆるハワイのキレイな風景ではなく、一風変わった人々や景色を捉えている。日常のありふれた瞬間にはハワイのリアルが詰まっているようだ。
iPhone写真家の
@misterver さんが撮影するのは、何かを観察中の人だ。匿名アカウントのインスタグラムは大人気で、ワイキキの喧噪が織りなすモザイク模様が約4万人のフォロワーを楽しませている。島のありふれた景色の中で、見られているとは思わず同じ方向を見つめる人々が生み出すモザイクだ。
@misterverさんがよく投稿するのは、海水浴客や花嫁の付き添いなどの“傍観者”だ。傍観者は、ビーチ自体よりも群衆がビーチに殺到する様子に気を取られて、独特で風変わりな様子を見せることが多い。
誰でもスマートフォンを持つIT時代だが、島の喧噪や人の流れに目が釘付けになっている人々の写真は斬新だし、同時にその視線の先が想起されるところも面白い。
それは、SNSに溢れかえるハワイの写真が、はっきりいってツマラナイからだ。同じ山の登頂写真、毎日必ず沈む夕日を背景にした同じ椰子の木々のシルエット写真――信じられないくらい、恐ろしいほど、救いようもなくツマラナイ。
一方、@misterverさんのレンズを通すと、漂白された“画一性”が嘲笑の的になることも多いワイキキが意外な筋書きに富んでいて、肌の色も服装も姿勢も異なる人が登場することがわかる。
だからこそ@misterverさんの写真は面白いのだ。ハワイ観光の中心地に真正面から挑んだスナップ写真は、私たちの期待に応えると同時に裏切ってくれるものでもある。
マシュー・デニーフ=文 @misterver=写真 加藤今日子=翻訳
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