なぜ糖質制限では勝てなかったのか? 3つの弱点
「僕は100回以上試合をしてきましたが、それは100回以上、減量をクリアしてきたということ。もちろん、糖質制限もやりました。でも、ボクサーには致命的なデメリットがあったんです」。
単品ダイエットや断食道場、菜食中心など、あまたあるダイエット法を試してきた木村さん。当然、手っ取り早く体重を落とせる糖質制限も試した。だが、今では異議を唱える立場へと転向。その理由は3つあるという。
「脳の9割は糖質からエネルギーを補給していると言われるので、糖質制限をすると
集中力がなくなります。ぼーっとしたり、イライラしたりもしました。
あとは、
筋肉の衰えです。糖質が不足することでタンパク質が分解されやすくなり、筋肉がエネルギーとして使われてしまいます。そのため、怪我をするようになりました。
糖質制限のしすぎで、顔がたるんできたなと感じる人もいるのではないでしょうか。要は
老化の促進ですね。足腰が弱くなったりもして、健康寿命が縮まると思います。僕も糖質制限をしていた頃は、そういう実感がありました」。
プロテインも不要? 白米の10のワンダフル
実は、白米ダイエットを始めてからというもの、木村さんはサプリメントもとらなくなったという。
「白米にタンパク質が相当含まれているので、現役時代にプロテインを飲むことも全然なかったんです」。
ちょっとした筋トレをする人でさえプロテインを飲むのが、時代の風潮。だが、まさか現役ボクサーがプロテインの必要性を一掃するとは。
「白米が僕のサプリです」とまで木村さんは言う。木村さんの白米最強説に基づく10のワンダフルなメリットはこちら。
ワンダフル① 栄養をしっかり摂れる白米にはビタミンB、食物繊維、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、鉄、タンパク質など、栄養が豊富に含まれている。玄米も栄養価は高いがデトックス効果も大きいため、必要な栄養素まで体外へ排出してしまうことも。
ワンダフル② 代謝が上がる白米は消化がいいため、消化器官に負担がかかりにくい。胃腸の活性化が促進されることで代謝が上がり、痩せやすい体質に変わる。
ワンダフル③ 満腹感を得られるパンやパスタなどと違い、白米には添加物が含まれることがない。その分、栄養価が高い。また、咀嚼しやすいため、満腹感が早く得られやすい。ただし、よく咀嚼することが大切で、木村さんは「箸を置いて20回噛む」を推奨。
ワンダフル④ ムダな間食がなくなるお茶碗一杯分の白米には約50〜60gの糖質が含まれている。つまり、白米をしっかり食べていれば糖質が不足することがないため、甘いものやお酒を欲することが少なくなるという。
ワンダフル⑤ リバウンドしない白米を1日に3食しっかり食べられるので、我慢をするストレスがほとんどない。続けやすく、リバウンドもしにくい。木村さんが提供する「木村式ダイエット」に参加した100人のなかで、リバウンドはゼロ。
ワンダフル⑥ 簡単に続けられる白米ダイエットに欠かせないのは、白米を炊く、という究極にシンプルな手段のみ。味に飽きたら梅干しを添えたり、ふりかけをかけたり、卵かけごはんにしたりすればいい。時間がない時はコンビニでおにぎりを買えばOK。
ワンダフル⑦ 財布にやさしい銘柄によるものの、ごはんは自分で炊くことが多く、その場合は1杯あたり約30円台。購入するケースがほとんどのパンは1個あたり約100円と考えると、白米の方が経済的。
ワンダフル⑧ 肌がきれいになる白米ダイエットは、ビタミン・ミネラル・タンパク質など、栄養が豊富。そのため、痩せてもげっそりすることがなく、体重が減ってももちもちとした、きれいな肌が手に入る。
ワンダフル⑨ ぐっすり眠れるお米にはメラトニンも入っているため睡眠の質が高まるという。「夕食にパスタやピザを食べると寝付きが悪いですが、ごはんを食べるとぐっすり。まるで睡眠薬みたいですよ」と木村さん。
ワンダフル⑩ 痩せる栄養価が高く、間食も減り、簡単に続けられるとあれば、もちろん「痩せる」ハードルは低い。木村式ダイエットに参加した約100人のうち、93.5%が減量に成功している。
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白米のメリットや長所をたっぷり解説したが、「白米だけを食べていればいいのか?」というと、そういう話でもないらしい。
次回は実践編として、白米の正しい食べ方やおかずとの組み合わせ、適切な白米の量や糖質制限をしていた人が白米に移行する際の注意点などをうかがっていく。
ぎぎまき=取材・文