多くの人に伝えたいから、とにかく“わかりやすく”
サーフィンの五輪競技化に対してはさまざま声があった。競技化が加速しカルチャー面が蔑ろにされることや、ブームとなって海が混雑することを危惧する声もあった。
小川プロは賛成の立ち位置をとる。
サーフィンを始めて40年以上。波を中心に生き、プロとして活動してきたからこそ、サーフィンの素晴らしさをもっと多くの人に知ってもらいたいと考える。そして「日本サーフィンにとって歴史的な出来事」という民放でのライブ放送に自身が解説者として出演するうえで、もっとも大切にしたのは「わかりやすさ」だった。
「視聴者の多くはサーフィンを知らない人。その人たちに伝わるように解説することが重要だと思いました。意識したのは専門用語は使わないこと。“ワイプアウト”と言ってもサーフィン経験者にしか伝わらないので、“ライディング中に転んでしまうことなんです”と言い換えたり。
またスタジオには進行役のキャスターとアナウンサーの方がいて、事前に多くの質問をもらいました。その一つひとつを説明し、理解していただき放送に入ったので、うまく進行してもらえたし、自分もそれに応じる形で番組に参加できたのだと思っています」。
放送後、番組のスタッフたちから「サーフィンはすごくわかりやすい競技で、面白いですね」と言ってもらえたという。そしてその「面白い」には、上述した海のコンディションと、小川プロたちが理解しやく伝えようとした心掛けがあったからなのだった。
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