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若き選手たちの頑張りを本当の“レガシー”とするために

日本人選手によるメダル獲得もあり多くの人の関心を引きつけた東京2020大会は、サーフィンを日本の社会にお披露目する見事なショーケースとなった。しかし大切なのはこれからなのだと、小川プロはいう。
波の上での小川プロ。
「オリンピックはIOCが東京で行った“だけ”なんです。大切なのはこれからの日常生活において、選手たちが生み出した“熱”や“流れ”を絶えさせてしまうことなく、サーフィンが継続的に発展していく仕組みや機会を作ることだと思います。
やはりサーフィンは敷居が高いスポーツです。サーフボードなどのギアが必要だし、始めるにあたり教えてもらった方が始めやすい。そこを少しでも低めるにはどうすれば良いか。僕も含め、日本サーフィン連盟や日本プロサーフィン連盟、メディアといった関係者が子供たちのため、日本サーフィンの未来のために知恵を出し、動いていけるか。そこに飛躍のチャンスはあると思います」。
メダルを獲得したのは23歳と20歳。五十嵐カノアはWSLが主催する最高峰プロツアー「CT(チャンプオンシップツアー)」でのトップ5位入りを目指し、また都筑有夢路は「CT」入りを目指し、各々の日常に戻っていく。
日本サーフィンはどうか。東京2020大会前の日常に戻るのか、一般社団法人から寄付金をより募りやすいと言われる公益財団法人化を目指したり、サーファーではない識者の声を聞きやすい環境を整備するなど、新しい日常を築き出していくのか。
時代を切り拓くのは、いつでも大志を抱く若者である。今回若者たちがノックした新しい時代の扉を大きく開けるか否かは今後の課題であり、それは大人たちが向き合い取り組むべき課題となって、サーフィン界で初めてのオリンピックは幕を下ろした。
 
小山内 隆=取材・文 角田壮監(LDH JAPAN)=企画協力


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