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ストレスフルな心のケア

もう一つ大切にしたいのが、お父さんやお母さんの精神的なケアです。子どもの心は大人の心を映す鏡だとも言われるくらい、大人の精神状態と子どもの精神状態はリンクしています。
近くにいる大人がいつもイライラしていたり、神経質になっていたりすれば、それは子どもの心に影響し、やがて、子どもの体に変化として現れます。
よく、「子どもを一日中ガミガミ怒ってしまった」というケースや、「子どもがゲームばかりしてイライラする」なんていう親御さんのお話を聞きます。
子どもが親の言うことを聞きたくなかったり、ゲーム等に没頭してしまったりするのには、何かの理由があるのかも知れません。もしかしたらなかなか言えない事情があるのかも知れない、と思って接してみることも大切かも知れません。
日頃から親子の会話をなるべくできるような場や機会を設けたいものですね。

一方で、大人もいろいろなストレスや不安を貯めやすい状況です。
自分一人で抱え込まず、誰かにちょっとでも話してみるのもよいでしょう。最近、受診にこられるお母さんによく見られる様子は、一人で色々な不安をかかえたまま、解消されないでいるということです。
これまではちょっとした子どものイベントや集まる場があって、そういった所でのちょっとした会話で救われていたのかも知れませんが、コロナ禍ではなかなかそうした場がありません。
診察中での私やスタッフの会話で、ポロッと日頃の不安を吐露して思わず涙汲まれる姿を沢山みました。なんらかそういったことを語れる場を積極的に作っていこうと思っています。
 

あそびで工夫する子どもとのかかわり

そして、子どもたちにいつもと異なる変化があったときは、そのSOSのサインを見逃さないことが何よりも大切です。
普段よりも一緒に過ごす時間をとったり、何気ない話題から話を広げていつも以上に会話をしたり、外を散歩してみるなど、子どもとのかかわり方に工夫をしてみることも必要ではないかと思います。

長期間の外出自粛や感染を抑えるための措置として、子ども同士の関わり合いの場は極端に減ってしまいました。
学校や園もきまりが多く、先生も子どもたちも疲弊しています。真面目に約束を守って過ごしている子どもほど、自分を制限してしまい、不安になっている様子がうかがえます。
「何か悩みがあるんでしょう?困ったことがあるんでしょう?はい、話して!」では、絶対に子どもは心を開きません。日頃のやり取りや関係性があって、はじめて子どもも心を許し安心します。失われたコミュニケーションによるストレスは今後も心配です。

しばらくは、大人も子どもも、この「制限付き」の生活を続けなければいけません。
「ダメ」「やってはいけない」という禁止や否定の言葉が多い中、私たち大人が考えなければいけないのは、安全を担保しながらいかに子どもたちのあそびとその環境を整えるかです。
どういうあそびが安全で、何が大丈夫かを見極めながら、子どもたちのあそびと環境づくりについてしっかりと考えていくことが必要だと思います。

菊池信太郎先生
医療法人仁寿会菊池医院院長、小児科医。
東日本大震災後、いち早く「郡山市震災後こどもの心のケアプロジェクト」を立案。室内のあそび場を中核とする子育て・子育ち支援の場である「ペップキッズこおりやま」の開設に尽力。
記事提供:ボーネルンドの教育・保育関係者のための情報サイト PLAYSCAPE



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