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子どもたちのからだへの影響

当然、運動量も激減し、一日に数百歩ほどしか歩いていないという子もいるようです。幼稚園や学校があったときには当たり前にしていた「朝早く起きて、ご飯を食べる」という、基本的な生活習慣さえも崩れてしまったご家庭も多く見受けられました。
これは、「運動不足」以前の深刻な問題です。基本的な生活習慣が乱れ、思いっきり運動できない数か月間の自粛していた期間が子どもの発達に与える影響は大きく、元気がない子、疲れている子も目立ちます。
今後も更に心身の変調が現れるのではないかと心配しています。

大切なのは、家庭では家族でリズムをとること。大人もテレワークや生活環境が変わる方も多いと思いますが、学校が休みの間も、いつも過ごしている内容に近い時間割を作って守るなど、毎日の生活のリズムづくりが大切です。
例えば、何時に起きて、何時に朝ごはんを食べて…何時に夕ご飯を食べて、何時には寝る、といった毎日の事柄の時間を決めて、そしてお休みの日にも同じように過ごすことが大事です。
お休みだから、朝はゆっくりだから…とついつい寝坊してしまうと、その日のリズムは崩れ翌日にも影響していきます。
 

自分の体を守ること

体への影響は、運動不足や生活リズムの崩れによる肥満だけではありません。震災の頃と比べて、子どもがネット環境やゲームなどのデジタル機器に触れる時間も長くなりました。
ネットやゲーム中毒や姿勢の悪さ、視力の低下、肩こりなど、子どもたちの心や身体に過去にはなかった新たな影響が出てきています。

これからの一生を送る体の土台を育んでいる成長段階の子どもたちに、いかに自分の体の調子を整え、成長を阻害しないよう、「守るべき健康」を伝えることが重要だと感じています。
次回のコラムでは菊池先生にうかがった、「今だからこそ取り入れるべきあそびとかかわり方」をご紹介します。
後編へ続く

菊池信太郎先生
医療法人仁寿会菊池医院院長、小児科医。
東日本大震災後、いち早く「郡山市震災後こどもの心のケアプロジェクト」を立案。室内のあそび場を中核とする子育て・子育ち支援の場である「ペップキッズこおりやま」の開設に尽力。
記事提供:ボーネルンドの教育・保育関係者のための情報サイト PLAYSCAPE



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