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2021.09.23

ライフ

都心に咲くフラワーショップ「ザ リトル ショップ オブ フラワーズ」を渡辺真史が探訪

細い路地裏、鬱蒼とした植物。
おおよそ原宿とは思えないような神秘的な場所に佇む「ザ リトル ショップ オブ フラワーズ」。オーナーを務める壱岐ゆかりさんを訪ねた。
訪れたのは渡辺真史さん●1971年、東京都生まれ。ベドウィン & ザ ハートブレイカーズのディレクター。ローカルとインターナショナル、2つの視点で東京をクルージング。
渡辺 生花店を始めたときは驚いた。それまでブランドのPRをやってたね。
壱岐 PRの仕事でアメリカに行ったとき、ふらっと入った店に衝撃を受けたの。デニムショップの中にあった生花店が、店主の気分で営業するスタイルで。そんな自由なことある?って。
渡辺 そうして、この場所でもう10年経つのか。すごいエナジー。
壱岐 でも、社交が得意なほうではなくて。前のPR業務も主体性が足りない感じがあった。周りには発信できる人が多くて、徐々に焦りが生まれた。それで、自分の強みが欲しいと思って、始めたのが生花店っていうのもある。
渡辺 ここはすごくキュートな店だよね。立地も建物もユニークで。最近の原宿はモール的なショップが増えてきたけれど、それとは真逆のここにしかない魅力が詰まっている。
壱岐 もともとは、ここの大家さんのご実家で、自分でテラスや小屋を少しずつ増築した。でも、入り口はわかりにくくて、入りづらいから、お客さんはドキドキするかも(笑)。

渡辺 隣には友里ちゃん(フードディレクター野村友里)のレストランがあって、暮らしに根付いている感じ。
壱岐 そうかも。だからコロナ自粛中は本当にいろいろ考えさせられたよ。
渡辺 というと?
壱岐 今まで企業からの依頼で空間デザインもやっていたけど、それが減って。実際にお客さんの家に伺って販売することが増えた。人それぞれのライフスタイルに触れられたことで、ニーズに沿った提案もできるようになれた。
渡辺 町の生花店って感じで素敵だね。
壱岐 あと、廃棄になってしまう花がそれなりにあって。それを廃棄と捉えない方法として、ボタニカルダイを試しているの。このエプロンも花の色素から出た色なの!
渡辺 すごいきれい! かわいいね。
壱岐 花の色って面白くて、赤い花から赤い色素が必ずしも取れるわけじゃないの。だから、人も花も、見えてない内面が大事ってことなんだなあと。
渡辺 行動はパワフルなのに考え方がすごく繊細。壱岐ちゃんらしいね。
壱岐 そうだ。新しく渋谷のパルコにも店ができたんだ。そこではナチュールワインと一緒に花を売ってます。
渡辺 花とワイン。贈り物としてもパーフェクトだね!
——しなやかに、鮮やかに咲く都心のフラワーショップ。そこはいつも、フレッシュなエナジーで満ちている。
「ザ リトル ショップ オブ フラワーズ」
住所:東京都渋谷区神宮前6-31-10 ※イートリップレストランの隣
電話番号:03-5778-3052 
営業:12:00〜19:00(土・日曜、祝日は11:00から) 木曜定休
instagram@thelittleshopofflowers
若木信吾=写真 増山直樹=文


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