「Running Up-Date」とは……異なる3種目をこなすトライアスリートには、ギアに対しても好奇心旺盛&柔軟な発想の持ち主が多い。
トライアスロンのプレイングコーチとして活躍する梅田祐輝さんも、ニューアイテムを柔らかいアタマでトライしまくっているギアオタクのひとりだ。
左右違うモデルで履き比べて納得。「アルファフライが最強だ」
2020年のトライアスロン日本選手権で9位に入るほどのトップアスリートである梅田さん。高校までは競泳の選手だったが、意外にも現在の得意種目はランニング。
コーチとして、多くのランナーの走りの改善と向き合ううちに、自分の走りにも変化が現れ、絶対的なトレーニング量が落ちているにも関わらずパフォーマンスが上がっている梅田さん。
「
前回もお話ししましたが、ランニングに関しては“乗り込み”がホントに大事。接地時にうまく体重を乗せないと反発リターンのエネルギーを活用しきれません。正しいフォームを作ることが重要になるのですが……」。
そこでひと役買ったのが、ナイキのヴェイパーフライをはじめとする厚底系モデルだ。
「よく弾む厚底ソールにカーボンプレートを組み合わせたヴェイパーフライの登場以降、それまでは他ブランドを履いていたのですが、完全にナイキ派へと鞍替えしました。
このシューズのポテンシャルを活かそうと思ったら、上手く乗り込まないと前に反発してくれないんですよね。だけど履きこなせたときのパフォーマンスアップには確かなものがあります」。
先入観を持たず、何でもまず試してみるのがトライアスリートという“人種”。梅田さん自身も最初は懐疑的だった厚底シューズを、片足ずつ違うモデルを履いて感触を確かめるなど試し尽くし、メリットの大きさを実感。しかもナイキのトップモデルが最高、との結論に達した。
「日本選手権で結果を出したときは、現行トップモデルのアルファフライを履きました。レース前にヴェイパーとアルファとを履き比べたりもしたのですが、明らかにアルファフライのほうがストライドが伸びたんですよね。マラソンランナーの着用率の高さも納得です」。
なるほどと足元に目を向けると、シューズを履くスピードが驚くほど速い。
「あ、実はヒモを付け替えているんですよ。イージーレースというアイテムで、ヒモ自体がエラスティック素材になっていてアッパーと一緒に伸びるんです。トライアスリートにとっては定番的なアイテムかもしれません」。
レースではバイクからランに素早くトランジションする必要があるので、これならいちいち靴ヒモをほどいたり結んだりしなくても履ける。こういった時短カスタマイズはタイムにも直結するのだ。
「いざ走りだすときに玄関でモタつくことがないので、気軽に出かけられるというメリットもあります」。
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