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驚くほどの栄養と旨味が詰まっている「ゲランド」の塩

「塩の摂りすぎがカラダに良くない」のはもはや常識だ。日本では、厚労省が塩の摂取量を18歳以上の男性は一日8g未満という目標を定めているが、WHOの世界基準は一日5g。そのため、「日本人は塩を摂り過ぎ」というイメージが強く、毎日摂取する塩の量に気を使っているオーシャンズ読者も少なくないはず。
だが、アンチエイジングの専門家であり、塩に関する著書もあるお茶の水健康長寿クリニック院長、白澤卓二先生は「減塩は不要!」と言うのだ。
「近年、国や地方自治体が主導している減塩運動は、残念ながら塩と塩化ナトリウムの違いを区別していません。問題はここ数十年で、自然の塩から、人工的な食卓塩の使用が主流になったことにあります」。
自然塩と食卓塩は似て非なるもの。自然塩にはナトリウムが約8割、ミネラル分が約2割含まれているが、人工的に精製された食卓塩は99%が塩化ナトリウムでできている。
血圧を上昇させる原因はナトリウムのため、当然、食卓塩の摂りすぎは高血圧につながる。一方、海塩や岩塩などの自然塩なら、ナトリウムが控えめなうえ、人間の生存に不可欠なミネラル分を豊富に摂取できるのだ。
「自然の塩であれば、減塩どころか、ミネラルが不足しないように十分な量を摂る必要があります。ただし、中には通常の人よりも塩で血圧が上がりやすい人がいるため、その場合は減塩に努める必要があります」。
つまり、大切なのは、減塩ではなく成分を理解し、「カラダにいい自然塩を選ぶこと」。
「自然塩には、ナトリウムのほか、マグネシウムやカルシウム、カリウムなどのミネラルが含まれています。ミネラルが多く含まれているぶん、風味も豊かで美味しい。自然塩の中でもおすすめなのは、やはりきれいな海域で採れた海塩です」。
そこで編集部がさまざまな海塩をリサーチしたところ、フランスに読者にぴったりな塩を発見した。「ゲランドの塩」である。
ゲランド塩田があるのはフランス政府によって自然保護区に指定された地域。この地で熟練職人たちが1000年以上受け継がれる製法で塩を生み出す。厳格な基準を持つフランス有機農業推進団体認定。こちらは顆粒をさらに細かくしたもの。エクストラファン(微粒)600g 896円/ゲランド(アクアメール 046-877-5051)
この塩が採れるのは、フランス北西部のブルターニュ地方にあるゲランド塩田。何がすごいかというと、人間の手を加えない塩作りにある。海水が満ちると、塩田に隣接する海から海水が流れ込む。そして太陽と風が海水を結晶化させて塩ができる。この塩田では機械はほとんど使用されておらず、もちろん添加物もいっさい使用しない。
そう、ゲランドの塩は“海そのまんま”。色は海中のプランクトンや土、ミネラルの影響でほんのりグレーがかっている。しっとりとした質感の塩には、豊富なミネラルのほか、微生物や鳥の羽、魚の骨なども含まれているとか。
そのせいか、その味わいは実に奥深い。食卓塩のような舌を刺すようなしょっぱさはなく、まろやかさと酸味、苦味、すみれのような香りが渾然一体となった豊かな風味を味わえる。そして豊富なミネラル分は、食材が本来持つ味わいを引き立てる。実際、フランスの三ツ星レストランの多くがこの塩を使用しているという。
こうした海塩が手元にあれば、毎日食べる食事もさらに美味しくなるし、健康面にもさまざまなメリットがある。そう、海塩は大自然がくれる最強のサプリなのだ。
教えてくれたのは
お茶の水健康長寿クリニック 院長
白澤卓二先生

1958年神奈川県生まれ。抗加齢学やアルツハイマー病などを専門とする医学博士。千葉大学医学部卒業後、同大学院医学研究科博士課程を修了。2007〜’15年まで順天堂大学大学院医学研究科教授を務める。健康長寿を目指す、お茶の水健康長寿クリニックの院長を務める傍、メディア出演、新聞連載で活躍。著書は『すごい塩』(あさ出版)、『100歳までボケない101の方法』(文藝春秋)など300冊に及ぶ。
 
「STAY YOUNG総合研究所」とは……
加齢とともに気になりだした体型の変化や衰え……。俺たちを取り巻く体の悩みは山積みだ。もうこれ以上、オジサンになりたくない。そこでオーシャンズは40歳からのSTAY YOUNG総合研究所を立ち上げることにした。直面する問題にしっかりと向き合い、若々しくあるためのメソッドを探る。
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押条良太=編集・文


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