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停車時にミラーの位置をあわせても、乗車時はフロアの上に乗るから改めて調整しなければならない。しかしこの、乗車時の調整が極めて難しい。
しっかりとしたメインスタンドがついた電動キックボードでなければ、誰かに車両を支えてもらった状態でなければ微調整できないものと考えていい。ところが筆者所有の電動キックボードはコンパクトに折りたためるという構造にこだわりすぎた結果、ミラー部の保持力が弱く振動が原因で走行中にズレてくる。自分に「これは買うべきではなかった」と言いたい気持ちがある。

今はまだ時期が早すぎる?

以上のような「買ってはいけない」条件を並べたとき、筆者が試乗してきた市販されている・今後市販が予定されている公道走行可能な電動キックボードのほとんどが、買ってはいけない車両だということに気がついた。ブレーキ、ウィンカー、ホイール、サイドミラーなどなど何かしらのネガティブな要素を抱えている。
もともと自転車やバイクをアクティビティーと捉えている人であれば乗りこなす楽しさが勝るだろうが、自転車や電動アシスト自転車の代わりとして選ぶと後悔しそうだ。
前後にブレーキ、ハンドルの両端にウインカー、高い位置にLEDヘッドライト、衝撃を吸収するサスペンションなどを備えた、千葉県千葉市で実証実験中のシェアリング電動キックボード。料金は10分間の初乗りが100円 、以後1分ごとに15円、30分で合計400円(筆者撮影)
電動キックボードのグローバルモデルに、汎用パーツを組み合わせて日本仕様とするのは無理があるのだろうか──。
ところが各地のシェアリング電動キックボードの車両は、安全面を考慮した作りで走りも安定していた。大きめで重く、折りたたみができない電動キックボードもあるのだが、コストをかけて改造すれば安心して乗れる電動キックボードが作れるということがわかった。もしくは一から、日本の法律や道路事情に合わせた電動キックボードを開発すれば、ネガティブな要素を払拭できそうでもある。
15km/hまでの電動キックボードならノーヘルでも運転できる。そんな道路交通法の改正がありうる現在。電動キックボードを個人所有するのは時期尚早であり、トータルで見て「今すぐは買わないほうがいい」乗り物だといえそうだ。
 
武者 良太:フリーライター
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記事提供:東洋経済ONLINE


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