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電動キックボードを選ぶとき、真っ先に見るべきは車両後部にナンバープレート取り付け箇所があるかどうかだ。公道走行時は原付バイクと同じ扱いとなる電動キックボードゆえ、ナンバープレートが取り付けられない電動キックボードは総じて公道走行不可だ。まさに買ってはいけない電動キックボードそのものだ。
またナンバープレートが装着できること、ナンバープレートの取得方法、自賠責保険の加入方法といった情報が提示されていない電動キックボードは、メーカーや代理店のサポート体制やその熱意に疑問が生じる。
本来必要である情報を、事前にユーザー側から確認できない電動キックボードは、バイク店などでショップの人に相談しながら購入するのはいいとして、通信販売や大手量販店では買わないようにしたい。

独立したブレーキを装着していない車両

日本の公道で憂いなく走るために、最も重要視しなければならないのがブレーキの構造だ。道路運送車両の保安基準第61条には以下のように記されている。
「原動機付自転車(付随車を除く)には、走行中の原動機付自転車が確実かつ安全に減速及び停止を行うことができ、かつ、平坦な舗装路面等で確実に当該原動機付自転車を停止状態に保持できるものとして、制動性能に関し告示で定める基準に適合する二系統以上の制動装置を備えなければならない」。
「走行中の原動機付自転車が確実かつ安全に減速及び停止を行うこと」に関しては、時速20km/h走行時においてブレーキをかけたときに約5m以下、30km/h走行時なら約9m以下で停止できる制動力が求められる。
「平坦な舗装路面等で確実に当該原動機付自転車を停止状態に保持できる」は、坂のない場所であればどのような状況でもブレーキをかけて停止できること、「二系統以上の制動装置を備えなければならない」は前後輪ともにブレーキが備わっていることを求めている。
しかしグローバル仕様の電動キックボードのなかには、モーターの回生ブレーキ(電子ブレーキ)や、後輪のカバー(フェンダー)を足で踏んで減速させるフットブレーキを採用しているものがある。回生ブレーキは押して歩けるように電源が入っていない状態では車輪が止まらないモデルが多く、「どのような状況でもブレーキをかけて停止できること」に反してしまう。
フットブレーキは制動力に欠けるため、これらのブレーキを装着した電動キックボードは大体アウトになる。
前後にディスクブレーキを備えた電動キックボード、グラフィット「LOM」(筆者撮影)
ゆえに、前後ホイールにそれぞれ独立したブレーキを備えているモデル以外は買ってはいけない。より安全性を重視したいのであれば、原付二種バイクと同じように前後ブレーキが連動して効くCBS(コンビブレーキシステム)を搭載している電動キックボードを選びたい。


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