「玄人キャンパーが選んだコスパギア」とは……「アウトドア遊びの真骨頂は、自分で考えて工夫することにある」とは言い過ぎかもしれないが、少なくとも、用意された道具をそのまま説明書通りに使うだけでは芸がない。
今回は、新たな活用術を見つけた玄人たちのキャンプ道具を紹介しよう。
①「コフラン」のキャンプクッカーとノーブランドの買い物かご
豊富な商品群とリーズナブルな価格で人気のコフラン。杉坂ブラザーズの兄・友大郎さんは、そのホットサンドメーカーを大胆にカスタマイズして使用中。
「もともとは焚き火用で使う想定なのでしょうが、バーナーで使うにはあまりにも柄が長かったので短くカット。自分のキャンプスタイルにハマるように道具を合わせました。
アルミ製で非常に軽く携帯性に優れているので、ソロキャンプにも便利です。ホットサンドを作るのはもちろん、片面ずつ小さなフライパンとして使ってもOK。
表面にはテフロン加工が施されているので、チーズやおつまみを焼いても焦げ付きにくいのもお気に入りポイントです」。
引き続きの杉坂ブラザーズのキャンプギア活用術は、弟・渓亮さんから。
「意外と侮れないのが買い物カゴ。食器やお菓子、パンなど、かさばる小物を入れるのにとても便利なんです。数百円で手に入るし、
カラーもさまざまあるのでキャンプギアに合わせて選べます」。
| 推薦人 プロフライフィッシャー 杉坂友大郎さん(36歳)、杉坂渓亮さん(34歳) キャンプ歴約10年。釣りやアウトドア系の雑誌・TV出演などのタレント活動のほか、フライフィッシング専門店「ワールドワイドアングラーズ」、兄弟でフライフィッシングの楽しさを伝えるYouTube 「杉坂ブラザーズ」を運営。 |
②「キャンパーズコレクション」のテーブル
人気ウェブメディア「キャンプハック」では“グッドデザイン賞を受賞したギア特集”を行っている。そのネタの調査中に存在を知り、編集長の松田さんが速攻で購入したというのがこちらのテーブル。
「天板が金属メッシュなので、耐熱&耐水でしかもサイズの割に軽量。ダッチオーブンやスキレットもそのまま置けるし、子供がジュースをこぼしても平気なので安心感があります。脚先もネジで高さを調節できるスグレモノです」。
と、松田さんも絶賛のテーブルだが、天板にモノを置くときにガチャガチャと音が鳴るのが気になったそうで、ポリエステルのテーブルクロスをカットして設置。
カスタムしたことにより、手を着いたときのひんやり感も軽減されたという。
| 推薦人 キャンプハック編集長 松田隆史さん(32歳) キャンプ歴8年。2016年に編集部に入って以来、仕事でもプライベートでもキャンプ漬けの毎日を送る。最近フレックスでハイエースをリノベーションした「リノカ」を購入。その勢いで自宅も改装した。 |
③「パタゴニア」のドライバッグ
自分なりの使い方を提案するという観点から、吉田さんは長年の相棒をピックアップ。
「アメリカに住んでいた当時(’90年代後半~’00年代初め)に購入したパタゴニアのウエットアンドドライのバックパックです。当時で2万円ほどの値段で、割と値が張ったと記憶してますが、20年以上経った今でも川や海へ行くときに愛用中。
軽量なのでキャンプ時には荷物を入れて、キャンプ地周辺の散策、ハイキングするときのバッグとしても活用しています。あるときは仕方なく釣った魚を入れるビク替わりに使うことも(笑)」。
パタゴニアのアパレルは物持ちもよく、使用年数で割って考えるとコスパ高し。
| 推薦人 アウターリミッツ 海外事業&PRシニアマネージャー 吉田 聖さん(41歳) キャンプ歴約20年。ナイジェル・ケーボンの運営、フィルソンなどの海外ブランドの日本総代理店を務めるアウターリミッツのキーマン。二児のパパとしてキャンプで家族をもてなしては、テキサス仕込みのBBQとタコスを振舞っている。 |
④自家塗装カスタムした応量器
最後に紹介するのが、アウトドアシーンを知り尽くした編集者、野上さんがセレクトする応量器だ。
応量器は禅僧が普段使う食器で、出家の際に手に入れるもの。いちばん外側の大きな器は釈迦の頭を模していて、落とすことは絶対に許されず、死ぬまで大切に使うのだとか。
「通常の応量器は漆塗りでたいへん高価。それにツヤツヤの漆塗りをアウトドアへ持っていくのもはばかられたので、僕は漆塗りする前の応量器を手に入れて自分で塗装したものを使っています。
料理の味を損ねず、水分のあるものもよそえて、なおかつ木目を活かせる塗装はないかとテストを繰り返した結果、ガラス塗装で仕上げることに。応量器をアウトドアでも使えるアイテムに昇華しました」。
サイズが豊富なので、食材の大きさに合わせて盛り付けが可能。食卓が華やかになること請け合いだ。
| 推薦人 シエスタプラネット代表/クリエイター 野上真一さん(54歳) 90年代に人気を博した雑誌「アウトドアイクイップメント」編集長就任以降、アウトドアライフスタイル誌「HUNT」創刊など編集長職を歴任。また60カ国以上でサー フ&キャンプを実践。日々、波乗りに勤しみ自由な暮らしを送る。 |
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魅力的なキャンプギアが日々登場しているが、自分で工夫しながら遊ぶというのも大切なこと。今回の活用術を参考にして、外遊びの原点に立ち返ろう。
「玄人キャンパーが選んだコスパギア」とは……お金を出せば、質の高いモノが手に入るのは当たり前。でも、財源には限界があり、欲望にはキリがない。そこで、玄人キャンパー17人に質問!「自慢のコスパギアは何ですか?」
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