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ED正しく知るべきKEYWORD 10

[KEYWORD 1]勃起のメカニズム
まずは勃起のメカニズムを知ろう。勃起は脳の視床下部という部分が視覚や聴覚などによって、性的興奮を感じるところからスタートする。
脳はその興奮を指令に変え、脊髄を通して腰のあたりにある勃起中枢という神経に伝える。するとペニスの海綿体というスポンジ状の組織の空洞に血液が流れ込み、その血圧によって硬く勃起するのだ。
 
[KEYWORD 2]ED
EDとは勃起障害のこと。EDを大別すると器質性ED、心因性ED、その両方の混合性EDの3タイプが存在する。
器質性EDとは、カラダに何らかの原因があって物理的に勃起が阻害されるもの。心因性EDはトラウマやストレス、うつ病などによる心理的、精神的な要因から起こる症状。このうち、最も多い器質性EDのおもな原因は血管と神経にある。
勃起に関係する動脈が詰まって血流が確保できなくなったり、糖尿病などで勃起を司る神経がダメージを受けることで、勃起に悪影響が出てしまう。
 
[KEYWORD 3]動脈
勃起には心臓から送り出される血液を全身に運ぶ動脈が深く関わっている。ペニスの動脈の血流が阻害されると、海綿体に血液が流れ込むことができなくなり、EDを引き起こす。
「ただ、陰茎動脈は(1〜2mm)。大腿動脈(6〜8mm)や内頸動脈(5〜6mm)といった他の動脈と比べて非常に細い。つまり、男性のカラダの中で、最も最初に詰まりやすい血管がペニスの動脈なのです」(小堀先生)。
 
[KEYWORD 4]病のサイン
動脈の血管が硬くなって弾力性が失われると、血栓やプラークなどによって血管が詰まりやすくなる。これがEDの原因のひとつにもなる動脈硬化だ。
「動脈硬化が起きる場合は、ペニスだけでなくカラダのあちこちで同時進行しているケースがほとんど。動脈硬化が進行すれば、EDどころではなく、心臓の動脈が詰まれば心筋梗塞に、脳に血液が行かなくなれば脳卒中になるリスクも高まります」(小堀先生)。 EDは血管に関する病のサインともいえる。
 
[KEYWORD 5]勃起改善薬
ほとんどの場合、ED治療は勃起改善薬による投薬治療のみ。その効果は目覚ましく、「私の経験では、不妊治療に訪れたED患者の実に8〜9割の症状が改善しました」と小堀先生は語る。
「勃起改善薬が狙うのはペニスの海綿体に存在するPDE5。この酵素は血液の流れを悪くしたり、海綿体に血液が貯まらないようにしたりする働きを持っている。EDの一因になるこの酵素の働きをブロックすれば、血管が拡張され、勃起も促進されるという仕組みです」(小堀先生)。


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