“ちょっと便利”くらいが心地いい
基本的にキャンプは、不便を楽しむことが目的のひとつ。とはいえ、上級者でもない限り、それらを存分に享受することはなかなか難しい。そこで、三枝さんの所有するギアが参考になる。
こちらのランプはペトロマックスのHK500。ペトロマックスといえば、世界にも名を轟かせる圧力式灯油ランタンのリーディングカンパニーだ。200以上の細かなパーツで構成され、その美しさは多くのアウトドアマンを魅了している。
味わいのある見た目に加え、ブランド自体も1900年代初頭に誕生しているだけに、よほどの年代モノかと思いきや、これはそこまで古くはないとか。
「雨にあえて晒すことで、錆びをつけました。しかも、燃料はホワイトガソリンで、光の強さを調節すれば一昼夜つけていられるんです」。
「ドメティック」のクーラーボックスは、おそらくクーラーボックスの中でも最強の部類に入る。
「後ろにカセットコンロ用のガスをはめ込むスペースがあり、そのガスを使って冷やすタイプですね。24時間ずっと冷やしてくれるので使い勝手がいいですよ。通常であれば冷蔵庫代わりなのですが、冬であれば氷も作れちゃうほどに強力です」。
しかもその容量は2リットルのペットボトル8本が余裕で収まるほど。AC電源コードも付いており、外部から電源を確保できる場ではそちらを利用することも可能だ。
コーヒースタンドを経営している三枝さんが、「やばいのを見つけてきました(笑)」とニンマリしながら教えてくれたのがこのコーヒーメーカー。馴染みのあるコールマンのものだが、説明書きのところがすべて英語になっていた。
「これ、日本では売っていないかもしれませんね。LAへ行ったときに、フリーマーケットで購入しました」と三枝さん。
「これだけの大きさのものは、日本でなかなかお目にかかれません。カセットコンロの上に乗せて火をつけ、温まった水によりコーヒーが抽出されます。大人数でキャンプへ行っていると一杯一杯入れるのが多少億劫に感じていましたが、これなら一気に10杯分作ることができます(笑)」。
味もなかなかで、家で作るものと大差はないとか。ちなみにコーヒー豆は「プリティグッド」で使用している豆と一緒。
「ちなみにメイド・イン・ジャーマニー。こういうのもテンションがアガるんですよね〜。車もドイツ製ですし(笑)」。
なんとも秘密基地のようなこの佇まいは、男なら誰もが心踊る。話を聞いているだけでも楽しそうなキャンプの風景を思わず想像してしまった。
「突撃、隣のキャンプカー!」とは……キャンプスタイルは十人十色。それぞれ魅力がある。だからこそ気になるんだ。隣でテントを張っているあの人たちがどんな車に、どんなギアを詰め込んでいるのかが……。ってことで、正面から突撃。バックドアをご開帳〜!
上に戻る 佐藤ゆたか=写真 菊地 亮=取材・文