「ゴーグルやパンツは消耗品だから年に何度か買い替えるものの、ほとんどが選手向けの作り。でも区民プールで毎日泳ぐような僕ら世代や高齢者はスペックをそれほど求めていないし、もう少しデザインや遊びがあっていいと感じています。
また、駐車場に停めた車から降り、再び乗ってオフィスや自宅へ戻るプロセスも大切にしたい。水の中より長い時間を過ごすわけですから」。
改善策について、水泳アイテムは、自身の水泳ライフを快適にしていくことで生まれるアイデアを製品化するプロジェクトが動きつつあるという。
一方、泳ぎ前後のアイドルタイムにおいては「アメニティグッズを入れたポーチをロッカーに引っ掛けられるようにしている」など、無駄なモーションを払拭するセルフアレンジを楽しんでいる。
「人生100年時代。でも実生活では、どんどん動かなくなっています。車も好きだし、万歩計を着けて過ごしたら2桁だったなんて、ありうる話。そんな生活では年を重ねてからが危うい。やはり高齢者になっても動けるカラダでいたいですしね。
実際、元気のいい高齢のスイマーをよく見かけます。陽を浴びて日焼けしていて、スイスイと泳いでいく。単純に格好いいし、自分もそうありたいなと思うんです」。
現在47歳。水泳を大切に思うがゆえに生まれる探究は、まだしばらく続きそうである。
朴 玉順(CUBE)=写真 小山内 隆=文 FLUX CONDITIONINGS、MALIBU PYRAMID HOUSE、LIBERTYHILL CLUB=撮影協力