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キャンプも“見せる収納”の時代

そんなスマートキャンパー福田さんのハッチバックの内側がこちら。

……ん? どこか見慣れない光景が広がっている。雑多にギアが山積みされているわけでもなければ、キャンプ収納の定番であるストレージボックスもひとつも見当たらない。
「この収納グッズは、僕が今年はじめたアウトドアケースブランド『ワンタン』のものになります。使用している素材は、“ダイニーマ(DYNEEMA)”と呼ばれる素材。超高分子量ポリエチレンの別名で、縫い合わせなどをせずに1枚で使用すると、とにかく強靭な耐衝撃性と耐引裂強度を発揮するため、ヨットの帆などにも使われているんです」。

なんともタフで面白く、気の利いたアイテムである。
「ハイキングでも定番の素材ですね。ハイカーたちは軽さが命なので、バックパックだったり、小物入れなどには、このダイニーマが使用されています。でも、意外にキャンプシーンには持ち込まれていなくて」。
耐久性などの機能性を兼ね備えつつ、ミニマルに収納され、なおかつ嫌らしくない程度にこだわりのギアやアウトドアウェアをチラ見せできるワンタンの収納ケース。アウトドアマンたちの欲求を絶妙に満たすありそうでなかったアイテムには、ファッションシーンで培った審美眼が活かされている。

展開するケースの種類はさまざまだ。スリーピングマットがぴったり収まるものから、シェラカップ、ポール、ランタン用など、ケースのサイズはキャンパー御用達の定番ギアのボリュームにあわせて設計されている。
また、アパレル用も某ブランドのスーツケースに隙間なく収まるサイズ感だ。

「僕は街着とキャンプウェアを分けて買いたくないタイプ。メリノウールもいいけれど、それならキャンバーのスウェットなど、ヘビーオンスの洋服を選ぶ感じです。
このザ・ノース・フェイスのSTEEP TECHの“HELI”シリーズは、まさにそれを象徴しているかもしれません。山頂の寒さにも耐えれるスペックと機能性がありながら、ラッパーやギャングに愛されたというストリート的な背景もある逸品です」。

そのほかにも、ファイヤーパターンのスウェットパンツやシュプリームのテントなど、トランク内からはところどころ、ストリートな香りが漂う。

車も、トランクの収納も、物量も、すべてがスマートな福田さん。新しいキャンプのスタイルは、まさに時代感を踏襲していると言えるだろう。
また、ワンタンでは今後もさまざまなアイテムを展開予定とのことなので、気になる方はリリース情報を追いかけてみてはいかがだろうか。
「突撃、隣のキャンプカー!」とは……
キャンプスタイルは十人十色。人それぞれの魅力がある。だからこそ見たい、知りたい、隣のキャンパーがどんな車に、どんなギアを搭載しているのか。ってことで正面突撃。気になるバックドアをオープン!
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市川明治=取材・ 文


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