これほど“使い捨てカミソリ”が脚光を浴びたことはあっただろうか。発売するやたちまち完売となり、現在は誰も入手することができない「紙カミソリ」。
良くも悪くも、使い捨てカミソリなんて消費材としていつでも買えるものだった。なのに、即完して買えないだなんて……一体、何が起きているんだ!?
使い捨てカミソリといえば、よほどイレギュラーでない限りプラスチック製が当たり前。でもコレは、ヘッド部分以外すべてが“紙”でできている。
世界初となる脱プラスチック「紙カミソリ」を生み出したのは、カミソリ業界のエキスパート企業、貝印の社員有志5名である。
貝印は、”使い捨てカミソリ”分野で国内トップシェアを誇る。
“使い捨て”と聞くとマイナスイメージを抱く人も多いかもしれない。しかし、“使い捨て”は細菌の繁殖やサビの心配が少ないというメリットがある。デリケートな肌にとっては、ありがたいことこのうえない。
そんな事情を踏まえ、“使い捨て”をベースとしながらも廃プラスチック排出量を減らすため、リサイクルしやすい紙素材の採用に至ったという。
ムダ毛をなくしながらムダな廃資源もなくす。さすが貝印、アイデアまでキレキレである。
そんな体にも地球にも優しい「紙カミソリ」だが、単にプラスチックを紙に置き換えただけではない。
約3mmの薄型本体を組み立てて完成させるのだが、重さは約4g。組み立て前なら嵩張ることもないし、持ち運びにも便利である。
しかもヘッドは切れ味抜群の
三枚刃。三角形ハンドルにも貝印が培ってきたノウハウが詰め込まれていて、とても持ちやすい長さと厚みに設計されている。
こんな人にも地球にも神対応な紙カミソリ、そりゃあ売れるわけだ。使い捨てカミソリ界に颯爽と現れた新時代の寵児、今後の入荷を待とう!
[問い合わせ]貝印0120-016-410www.kai-group.com渋谷香菜子=文