OCEANS

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全工程を手掛けるため量産は非現実的。現在バックオーダーは200本以上。2年待ちの状態にある。
朝は誰より早くファクトリーに行き、仕事場を整理整頓。そののちに自宅へ戻り、庭に備えたシェイプルームでシェイプを行う。午後にはファクトリーで後工程を手掛ける。帰宅がいちばん最後になるのもザラだ。
まさに仕事人間。スタッフには自分の仕事の仕方を真似する必要はないと伝えているが、その仕事ぶりが嫌なのではない。サーフボード作りが心の底から好きであり、納得できるクオリティに仕上げたいと思う。必然的な結果なのである。
どれほど忙しくても良い波は逃さない。良い波でサーフィンできること。それはグッドシェイパーの条件だと考える。
そうした真摯な姿勢を背景に生まれた1本は海外サーファーを魅了してきた。もう20年近くも前に千葉のサーフショップでたまたま出くわした稀代のロングボーダー、デーン・ピーターソンさんのように。
そして世界の海で活躍する彼がタッピーさんの仕事に惚れ込んだことが、のちにデウスとのプロジェクトにつながっていく。サーフボードに備わる確かなクオリティは、たった一度の偶然を好機にさえ変えたのである。
 
PEDRO GOMES、熊野淳司、高橋賢勇、清水健吾、鈴木泰之、柏田テツヲ=写真 菊池陽之介、諸見里 司、来田拓也=スタイリング 小山内 隆、高橋 淳、大関祐詞=編集・文 加瀬友重、菅 明美=文


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