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タヒチにはコーラルリーフのうえにきれいにブレイクしていく波がある。水はクリアブルー。日差しは南国のそれ。パラダイスと呼ぶに相応しい南太平洋上の島で、グッドウェーブをクルーズする千葉公平さん。 ©️Kenyu
無論、サーフボードのクオリティに疑う余地はなかった。
「プロサーファーとして活躍する技量を持ち、シェイプ歴は長く、世界中の波でのサーフィン経験がある。その豊かなキャリアに裏打ちされた深い知識には驚嘆しました」とコリンさんは言う。
多様なデザインへの見識、そのデザインを具現化する技術、細部にまでこだわり仕上げる丁寧さに魅了されたのだ。さらなる説得力は優雅なサーフィン。千葉さんが暮らす四国を訪問したとき、グッドウェーブを美しくライドしていく様子に見惚れたのだという。
その姿を目に焼きつけているコリンさんが「サーフマスター」だという千葉さんは、四国の波に惚れ込んで移り住み、サーフボードを作りながら生活してきた。今も台風スウェルの到来や、冬のハワイでのグッドウェーブを心待ちにする。
サーフィンを始めて40年以上が経った今もサーフィンは楽しい。だから使う人にも楽しんでもらいたいと思い、サーフボードをシェイプする。
いつも自然体な千葉さん。サーフィンという楽しみのある暮らしが、肩に力の入らない佇まいを支えている。
交流が始まって9年。ショップには303サーフボードのラインナップから厳選されたモデルが置かれてきた。そして先頃、サタデーズのシンボルマーク、スラッシュを描いた“共創”モデルが誕生。プロジェクトが新しいステージへ踏み出したように思えた。
また千葉さんは「2人から提案を受け、僕がサーフボードのデザインを考えるというのも面白いかもね」と言う。もし両者が考えるグッドボードが作られたら。それは303サーフボードというブランドからは生まれない、とても稀少な一本となるのかもしれない。
 
PEDRO GOMES、熊野淳司、高橋賢勇、清水健吾、鈴木泰之、柏田テツヲ=写真 小山内 隆、高橋 淳、大関祐詞=編集・文 加瀬友重、菅 明美=文


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