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表参道の変わった点、変わらない点

編集部 荒川さん個人の原宿・表参道デビューはいつ頃ですか?
写真は28歳頃の荒川さん。テレ朝通りにあったジャスバーDO・DO・Birdサッカーチームのキャプテンを務めていた。
荒川 初めて原宿に来たのは10歳の頃です。私は茨城出身で、毎年夏休みになると叔父がいる千駄ヶ谷に来るのが楽しみでした。
編集部 というと“原宿・表参道歴”は……。
荒川 45~46年ですかね。本当の意味でお店に通うようになったのは予備校生時代ですけど。
編集部 15年どころじゃないですね。筋金入りの原宿・表参道ラバー。
荒川 そうかもしれませんね(笑)。
編集部 では、かつての原宿・表参道を知る人として、当時と今でいちばん変わったことは?
荒川 明らかに変わったのはショップの数です。裏原なんていう言葉は当然ありませんでしたし。また、お店の個性も変わりました。今は外資系のブランドのショップがどんどん増えて、東京ローカルな感じがなくなり、インターナショナルなエリアになったとは思います。
編集部 逆に、変わっていないことは?
同潤会アパートの様子
夜、雪が降って、「絶対にきれいな風景になっている!」と表参道に駆けつけた荒川さんが撮った同潤会青山アパート(今の表参道ヒルズ)と表参道の様子。写真の日付は1998年1月9日だ。
荒川 やはり、人の温かさでしょうか。原宿・表参道はかつて「住」の場所でしたから、当時知り合った、おじさん・おばさんが今も元気でいらっしゃって「大きくなったねぇ〜」なんて、声をかけてくださることもしばしばです。
編集部 なるほど。
荒川 それに原宿・表参道で暮らす方々は、ご自分の所有する建物を新しく事業を始めようとする若者に貸し出されていることが多い。もちろん、適性な価格で。これは若者たちを応援・支援する真心であり包容力にほかなりません。
編集部 そのおかげで、ストリートカルチャーが発展してきたんですね。
荒川 はい、その通りです。そういった人の温かみも継承していかなければいけません。歴史は、僕の45年どころか101年目が始まっているんですから。
編集部 昨年の明治神宮鎮座100年ですね。
特設サイトには、さまざまなスペシャルコンテンツが格納されている。
荒川 明治神宮鎮座百年祭の奉納・奉祝事業として、2020年度はさまざまな取り組みをしましたが、残念ながらコロナ禍で十分とはいえず。本当は、表参道ヒルズとしてファッションで奉納をしたかったんです。まだ諦めてはいません。
編集部 ファッションで奉納! 興味あります! 何かご一緒できることがあればぜひ!


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