「10年選手のビルケン。傷んでしまったけど、気に入っているし、まだ履き続けたい」。
そんな悩みを抱え、ビルケンシュトックの新宿店を訪れたのは、オーシャンズWeb編集長の原 亮太。
向かう先は、昨年5月、同店に導入された「マイスタールーム」だ。
熟練の職人(=マイスター)が依頼者のフットウェアの悩みをカウンセリングし、リペアするサービスである(詳細は
こちら)。
で、持ち込まれたのが、原が約10年前に購入したビルケンの定番モデル「チューリッヒ」。
相当気に入って履き込んだようで、汚れが目立ち、フットベッドのラインニングも剥がれ、アウトソールはコルクまで削れ、ひと言で言えばボロボロ。
身内のことながら、よくぞここまで履き込んだものである。
リペアの希望について原は「経年変化の出たスエードの味は残したいんすよ! でも、ソールは新品級にしたい。だって、今のままでは人前で脱げないんで……」。
ここまでダメージが進行する前に手は打てなかったのか、と思うが、時は戻せない。早速マイスターに相談だ。
担当してくれたのは、ビルケンシュトック専属のマイスター、前川 雄さん。この道で十数年ものキャリアを積んできた、リペアのスペシャリストだ。
まずはサンダルの状態をチェックして、専用のブラシとヤスリでストラップを磨いていく。
仕上げには、ドイツ発のレザーケアブランド「コロニル」のバンブーローションをプッシュ。
ここまでの流れは、「マイスターズトリートメント」と呼ばれる新宿店限定のサービス。通常のレザートリートメントとは異なる方法で、レザーの艶出しを行ってくれる。
もくもくと作業を進めてくれるが、肝心のリクエストに対する返答がない。果たして“上はそのまま、下は入れ替え”リペアはできるのか? ここで、前川さんが口を開く。
「リペアには少々時間をいただきますが、仕様を決めていきましょう」。
結論から言えば、“上はそのまま、下は入れ替え”のリペアはできる。しかし、パーツの取り寄せや特別な技術が必要なので時間はかかる、とのこと。ということで、前川さんと相談しながら、
・コルク部分が剥き出しになるほど削れたアウトソール=同じ白の新品に張り替え
・めくれたフットベッドのライニング=同じ素材はないので伸ばして再接着
ということに。そして約1カ月後――原の元に戻ってきたのがコレだ。
めくれていたライニングは見事にもとに戻り、油分などの汚れによるテカテカもなくなった! ツルッとしていた肌触りもサラッと爽快に。見えない部分までアップデートされていた。
カサカサだったサイドにも潤いが戻っている。
ストラップは全体の汚れを落としつつも、経年変化ならではのシブイ風合いは残っている。
続いては、アウトソールを見てみよう。
以前は、踵部分が剥がれ落ちてコルクが丸見えだったが、張り替えによって新品の状態へと復活!
マイスタールームでは、このほかにもコルクのケアからリベット、バックルの交換(550円〜)まで、依頼者の悩みに応じた修理を行ってくれる。
そういえば2017年には、
「黒ずんだビルケンを新品みたいにするサービスを試してみたい!」という記事も人気だったっけ。
お気に入りのビルケンのダメージ問題でお悩みの諸兄よ。熟練マイスターによる“リペアマジック”で、今夏、ベテランを一軍に復帰させられるかもよ?
[店舗詳細]ビルケンシュトック新宿住所:東京都新宿区新宿3-36-14カワノアネックス1F・2F電話:03-5919-3369営業:11:30〜20:00