正直に言ってしまえば、キャンプで食べるものは何でもうまいと錯覚しがちだ。
特別なロケーションによる興奮、または澄み切った空気がそう感じさせるのか。ただのカップ麺に感動を覚えた人だって少なくないはずだ。
であれば、こだわりたいのはむしろ過程、つまりは道具である。お気に入りのツールを手に持つ、えもいわれぬ快感。とっておきのプレートを並べる、感無量の喜び。道具次第で世界は変わる。
「エルメス」のピクニックバスケット
エデンの園からインスピレーションを得たテーブルウェアライン、パシフォリア。その豊かな色彩の世界へ誘う贅沢なピクニックバスケットは、キャンプサイトを神話的パラダイスに変える。
丁寧に編み込まれた柳細工のカゴを開ければ、豊穣な自然を象徴するデザートプレート、4個のグラス、4セットのカトラリーが。カゴの蓋には上品なくぼみを持たせ、フルーツやナプキンなどを載せることができる。
色彩、形、機能。そのすべてに職人の技とアートな感覚が宿る圧倒的傑作。気負いなく抱えて、夢へと旅立ちたい。
「ペタリ」のシャローポット
美しいデザインのミニマルな平鍋。炊事場からそのままテーブルへ持ち運ぶだけで絵になるような見た目の美しさもさることながら、四日市萬古焼の歴史を継承した背景、気密性や耐熱性の高さなど、抗いがたいロマンと実用性を宿す。
用途の万能性も特筆で、蒸す、炊く、炒めるをはじめとしたあらゆる調理に対応する。
こんな利器にも頼りたい!「インスタントポット」の電気圧力鍋もはや、ポータブル電源の持ち込みが新常識になりつつあるキャンプ事情。と、同時に調理環境も室内と変わらなくなってきた。それを踏まえれば、こんな利器にも頼りたい。
食材を入れてボタンを押すだけで、放ったらかしでヘルシー調理が可能。牛乳を入れれば、なんとヨーグルトまで作れるのだ。手間も時間も省けるなら当然、遊びの時間がグッと増えていく。
椙本裕子=写真 増山直樹=文