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ハワイアンによる教え、“アロハ”が写真を変えた

自然写真家 高砂淳二●1962年、宮城県石巻市生まれ。自然写真家。ダイビング雑誌の専属カメラマンからキャリアを始め1989年に独立。海の生き物、虹、風景、星空まで地球全体をフィールドに撮影活動を続ける。最新フォトエッセイ『海と虹と神話』をはじめ著書多数。http://junjitakasago.com
2000年に家族で過ごしたハワイも転機となった。
滞在中、知人が紹介してくれたハワイアンの先住民と多くの時間を過ごした。彼とは海や山を散歩し、そのたびにいろんな話を聞かせてくれた。なかでも印象的だったのは、人には2つの役目があるという話。
1つは、兄弟と呼べるあらゆる生き物たちが、母なる地球の上で共存できるように知恵を使う役目。もう1つは、生涯を通してアロハを学ぶという役目だった。ハワイアンたちが大切にするアロハとは愛のこと。愛を持って人や生き物や地球に接する大切さを説いてもらったのである。
ハワイアンの先人の知恵を意識しだすと写真に向き合う気持ちと被写体への見方が変わっていった。これまでに撮り、またこれから撮ろうとしているすべては等しく生命なのだ。そう思いいたることで、あらゆる対象と向き合ったとき、愛する家族に抱く慈しみのような気持ちが身体の内から溢れるようになったのである。


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