目が悪くなるから、もしくは疲れないように、明るさを確保しようと思い、作業環境をできるだけ明るくしていませんか。実は、明るすぎる環境は、緊張やイライラの原因になる可能性があります。真っ暗は、さすがにお勧めしませんが、ある程度の明るさがあれば、パソコンの明かりだけでも仕事は十分集中してできます。
普段つけている手元のライトを消してみる、直射日光が入らないように窓際のシェードを閉じてみるなど、気持ちが安定する明るさ環境を整えてみてください。
また、パソコン画面の明るさを抑えることも有効です。ブルーライトメガネなどは、光量を抑える効果もあるので、目が疲れる方は試してみるのもよいでしょう。
睡眠時間はほどよく
睡眠不足は仕事に影響するからと、眠くないのに無理して横になり、眠れないことにストレスを感じている人も多いと思います。在宅ワークなどでは思うように体を動かせなかったり、ストレス解消も思うままにならないと、毎日決まった時間に寝付くのは至難の業です。繊細な人は、「寝なきゃ、寝なきゃ」という不安が重なると、かえって心的な負担が増えて、うつ状態になってしまうこともあります。
また、体調がよくなかったり、悩みごとがあれば、眠れないことはよくあることです。そんなときに、暗い部屋で悶々としながら横になっていても、ネガティブなことしか考えません。かえって追いつめられることにもなりかねません。前もっての「寝だめ」はできませんが、「睡眠負債」は、後から眠ることで返せます。
眠れないときには、無理せず「眠くなったら寝る」くらいの、ラクな気持ちで過ごしましょう。明るくして起きていたほうがよいときもあります。そのほうが、心的な負担は少なく、リラックスできます。
睡眠負債が多くある場合や、体調がよくないときはもちろん、身体を休ませることは必要です。ただ、そうではないのに、ひたすら家で寝ていると、ゆっくり休んだはずなのに、全然リフレッシュできている感じがしない、疲労は残ったまま、やる気も出ないということになりかねません。
それは、気持ちの安定に影響するセロトニンが欠乏状態になっている可能性があります。セロトニンが少ないとモチベーションが下がり、気持ちが不安定になりやすく、負のスパイラルに陥りがちです。セロトニンを生成するには、1日20〜30分のリズミカルな運動が大事だといわれています。部屋を掃除をするのもよいですし、このご時世、外出ははばかられるかもしれませんが、近所を散歩する、近場に買い物に行くなど、少し体を動かすことが必要です。
お休みの日もずっと動かずにいると不調の原因となってしまうので、体操やストレッチなど、なるべく身体を動かすことを心がけましょう。自然と気持ちもリフレッシュできて、モチベーションが変わってくるはずです。
今まで、よかれと思って行っていたことがあれば、少し視点を変えて取り入れてみてください。効果的な気分転換方法を実施して、まだまだ先の見えない状況下でも、少しでも快適な毎日を送る一助となれば幸いです。
大野 萌子:日本メンタルアップ支援機構 代表理事
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